証券会社を取り巻くサイバーリスクの話題を見ていて、ふと思いました。
もし明日の朝、SBI証券にログインできなくなったらどうしますか?
株式投資1年目の自分は答えられませんでした。
株価が下がることは考えていても、証券会社そのものが使えなくなることは考えていなかったのです。
そこで今回は、防災訓練として「証券会社が止まったら」を実際に考えてみました。
ココがポイント
今回の確認で分かったのは、電話注文の窓口があること、手元の資料で保有資産を確認できること、SBIハイパー預金が銀行預金として管理されていることです。
ただし、大規模障害時の電話注文や資金移動がどうなるかまでは確認できていません。
今回確認したのは次の3点
- 電話注文は可能か
- ログインできなくても保有資産を確認できるか
- 銀行預金はどうなるか
きっかけはSecurity Driveの記事
きっかけは、Xで佐々木さんが紹介していたSecurity Driveの記事でした。
サイバー攻撃や情報漏洩についての記事を読んでいて、企業の被害より先に、自分の証券口座が気になりました。
情報漏えいの公表急増――いま増えているのは「攻撃」ではなく「発覚」 | SECURITY DRIVE https://t.co/czvmRKydoi
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) October 9, 2026
- もしログインできなくなったら?
- 株を売りたいのに注文できなかったら?
普段は考えないことばかりが頭をよぎりました。
電話注文があるから大丈夫……は本当か?
SBI証券にはインターネット取引ができない場合に電話で注文するための「注文専用デスク」が用意されています。
営業時間は年末年始を除く平日の8時から17時まで。
「これなら一安心か」と思ったのですが、すぐに疑問が湧きました。
システム障害や大規模なサイバー攻撃でログインそのものができないとき、本当にみんなと同じように電話注文が使えるのだろうか?
公式案内だけではピンとこなかったので、実際にSBI証券の注文専用デスク(0120-104-239)に電話をかけてみました。

「ログインできない状態でも電話注文は機能するのか」を確かめるためです。
結果として、電話自体はつながりました。 ただし、オペレーターに繋がるまでに5分ほど待ちました。
ここでハッとしました。
これは相場が穏やかな「平常時」の体験です。
大規模障害時には電話が集中し、普段よりつながりにくくなる可能性もあります。
実際に電話をかけてみて感じたのは、電話番号を控えておくだけでは十分ではないということでした。
緊急時に電話注文がどこまで機能するのかは、まだ確認できていません。
じゃあ、自分の株を確認する方法は?
電話の限界を知って少し焦りましたが、調べていくうちにもう一つ大切なことに気づきました。
自分は毎週末、保有銘柄と指値銘柄をプリントアウトしています。 取引残高報告書なども、PCにダウンロードして保存する習慣をつけていました。 (※ちなみに取引残高報告書は、SBI証券の「口座管理」メニューの一番下にある「取引報告書等」から確認できます)

手元の取引残高報告書を見返すと、作成時点の保有資産を確認できます。
さらに、毎週印刷している保有銘柄と指値銘柄の一覧があれば、自分の投資状況をまとめて把握できます。
「あ、自分は証券会社の画面だけに頼っていたわけじゃないんだ」
もし数日間ログインできなくなっても、「自分は何を持っていたっけ?」と途方に暮れることは避けられる。
普段から続けていた週末のバックアップが、こういう場面で役に立つことに気づきました。
証券口座が止まっても、銀行のお金まで一緒に止まるのか?
次に気になったのは、お金の管理です。 自分はSBI証券とSBI新生銀行を使っていて、資金の一部を「SBIハイパー預金」に置いています。
普段は証券会社の買付余力として画面で見ているので、なんとなく「証券口座にあるお金」という感覚になっていました。
「証券会社にログインできなくなったら、このお金も一緒に見えなくなるのでは?」
これも実際に調べてみて、大きな発見がありました。 SBIハイパー預金は、あくまでSBI新生銀行の預金として管理されており、それが証券の買付余力に連携反映されているだけの仕組みだったのです。

つまり、証券口座に表示される買付余力と、銀行に預けているお金は、仕組み上、分けて考える必要があります。
ただし、証券会社のシステム障害時に、預金の確認や資金移動が普段どおりできるかどうかは別の問題です。
SBIハイパー預金は預金保険制度の対象です。
同じ銀行に預けている対象預金と合算して、原則として元本1,000万円までとその利息が保護されます。
ただし、これは銀行が破綻した場合の預金保護であり、システム障害時の利用を保証するものではありません。
普段から口座を見ることも防災になる
毎日確認していれば、異変に気づくきっかけを早くつかめます。
自分は基本的に、1日1回は銀行口座と証券口座にログインしています。
もちろん、毎日ログインするだけですべての不正を防げるわけではありません。
それでも、残高だけでなく、売買や出金、注文の異常まで確認する習慣は、普段からできる備えの一つです。
今回の防災訓練で確認できたこと
今回、実際に電話をかけ、書類を確認し、口座の仕組みを調べてみました。分かったことは3つです。
- 電話注文の窓口があっても、緊急時に注文できるとは限らない。 連絡先を控え、障害時の対応も確認しておく必要があります。
- 保有銘柄一覧と取引残高報告書は、役割が違う。 両方を保存しておけば、ログインできないときにも投資状況を把握しやすくなります。
- 証券口座の買付余力と銀行預金は、分けて考える。 資金の管理方法を知っておけば、何が影響を受けるのかを判断しやすくなります。
今回の訓練で、すべての疑問が解決したわけではありません。
特に、大規模障害時に電話注文がどこまで機能するのかは、まだ確認できていません。
それでも、何も考えていなかった状態から、自分が何を確認すべきかが見えてきました。
株価の下落だけでなく、取引するための仕組みが使えなくなることにも備える。これも投資家に必要な準備だと感じました。
自分の防災チェックリスト
- 電話注文の連絡先と受付時間を控える
- 保有銘柄・数量・買付単価を保存する
- 指値注文の内容を別に保存する
- 口座の資料をPDFで保存し、定期的に更新する
証券会社のシステム障害がいつ起きるかは分かりません。
それでも、自分が何を保有し、どんな注文を出しているのか、すぐに確認できる状態にはしておけます。
