多くの投資家は暴落が来るたびに同じことをする。
ニュースを追い、原因を探し、SNSの意見に振り回され、そして最悪のタイミングで売る。
差がつくのはここだ。暴落を「知識」として知っているか、「感覚」として体に入っているか。
この記事では、暴落研究を実際の行動レベルに落とし込む手順を書く。読んで終わりにするな。手を動かせ。
目次
Step 1|研究対象を3つに絞る
まず大前提として、暴落を全部研究しようとするな。
広く浅くやっても感覚は身につかない。以下の3つだけを深く掘れ。
- コロナショック(2020年2〜3月)
- リーマンショック(2008年9〜10月)
- チャイナショック(2015年8月)
この3つには、暴落の主要パターンがほぼ全部入っている。速度、期間、底の形、どれも違う。だからこそ3つで十分。
Step 2|チャートを3つの時間軸で見る
① 週足(最重要・まずここから)
暴落の「構造」を把握する場所。
見るべきことはシンプルだ。
- どこから崩れ始めたか
- 下落期間はどれくらいか
- 本当の底はどこか
週足を見ずに日足だけ見ると、「もう底だろう」と思った場所がまだ中盤だった、という失敗を繰り返す。まず全体像を頭に入れろ。
② 日足(実際の戦場)
指値の精度を作る場所。
- 下落が加速したポイントはどこか
- リバウンドの「騙し」は何回あったか
- 連続陰線が続いた後に何が起きたか
「ここで買えた」「ここは罠だった」を一つひとつ確認する。
③ 5分足(感覚を作る補助ツール)
パニックの「瞬間」を体感する場所。
投げ売りの瞬間、出来高が急増するタイミング、瞬間クラッシュ。数字で見ているだけでは分からない恐怖の質感が、5分足には残っている。
Step 3|パターンを「型」として記録する
分析したら必ず自分の言葉でメモに残せ。
書かないと定着しない。
暴落名:コロナショック
期間:2020年2月20日〜3月23日
【週足】
崩れ始め:2月下旬の大陰線
期間:約5週間
底の形:V字
【日足】
下落加速ポイント:3月9日・16日(2度の大暴落)
騙しのリバウンド:3月10日、13日付近
連続陰線のピーク:3月16〜19日
【5分足の印象】
16日朝の寄りは完全なパニック。出来高が通常の3〜4倍。
「もう終わりだ」という感覚を再現できた。
【歪みが最大化した場所】
3月18〜19日あたり。投げ売りの連続。
ここが本命だったと後から分かる。
【型の分類】
序盤:緩やか → 中盤:加速 → 終盤:投げ売り → V字回復
これを3つの暴落分、作る。それだけだ。
Step 4|「清原式」的な視点を加える
パターンを覚えたら、次は歪みが最大化したポイントを特定する練習をしろ。
典型的な流れはこうだ。
| フェーズ | 状態 | 判断 |
|---|---|---|
| 初動 | まだ売りが続いている | 早すぎる |
| 中盤 | リバウンドと下落が交互 | やや早い |
| 終盤 | 投げ売り・パニック最大 | 本命 |
最後の「投げ」の局面が、歪みが最大化する瞬間だ。ここを見分ける感覚を養うのが、暴落研究の核心になる。
Step 5|実戦トレーニングを3回やる
以下を実際にやれ。読むだけで終わらせるな。
やること:コロナショックのチャートを開き、以下を自分で決める
- 「自分ならどこで買うか」を決めて、チャート上にマークする
- 「一番怖かったのはどのタイミングか」を言語化する
- 振り返って、実際の底と自分の判断のズレを確認する
これを3回繰り返す。(コロナ、リーマン、チャイナで各1回)
3回終わった時点で、暴落チャートに対する体感は確実に変わっている。
Step 6|TOPIXも必ず確認する
日経平均だけ見ていると判断が歪む。
日経は構成銘柄の偏りが大きく、特定セクターの動きに引っ張られやすい。TOPIXは市場全体の実態をより正直に反映している。
同じ暴落をTOPIXで見直すと、日経との乖離や、本当の市場の底が見えてくることがある。余裕があればで構わないが、習慣にする価値はある。
実践ルーティンのまとめ
毎回の暴落研究で、この順番で動け。
① 週足でフェーズを確認する(今どこにいるか)
② 日足で歪みポイントを特定する(どこが本命か)
③ 5分足で恐怖の強さを体感する(パニックの質を掴む)
④ TOPIXと比較して全体感を確認する
⑤ 気づきをメモに残す
最後に
暴落研究は「知識を増やす作業」ではない。
「恐怖の形を覚える作業」だ。
これができると、暴落が来たとき焦って動く側ではなく、静かに待てる側に回れる。
本を読むのは入口に過ぎない。チャートで検証して初めて、知識が感覚になる。
今日中にコロナショックのチャートを開け。それだけでいい。
