倒産鑑定分析リポート

倒産鑑定分析:日本乾溜工業(1771)公共依存の建設屋は嵐に耐えられるか

① 結論(最初に叩き込む)

現時点で倒産確率はかなり低い。

自己資本比率66.5%。
純資産95億。
現金53億。

潰れる会社の匂いはしない。

だが──
利益は減益。
営業CFは大幅減。
M&Aで固定費上昇。

「安全だが、強くはない」。

倒産より怖いのは、収益力の鈍化だ。


② 収益体力チェック

売上 175億(+0.3%)
営業利益 6.97億(▲20%)
営業利益率 4.0%(前期5.0%)

利益が削られている。

理由は明確。
販管費増加(M&A、人材投資、のれん償却)。

本業の売上総利益はほぼ横ばい。
だがコスト吸収力が弱い。

建設事業:
売上147億(▲3.2%)
セグメント利益12億(▲16.9%)

防災安全事業:
売上28億(+23.5%)
セグメント利益3.1億(+82%)

ここが面白い。
防災は伸びている。建設は鈍い。

つまり事業ポートフォリオの変化が始まっている可能性。

ジョージの宿題:
防災安全事業の利益率と持続性を過去5年で検証。単発特需か構造成長か。


③ 財務耐久力

総資産 143億
純資産 95億
自己資本比率 66.5%

優秀。

借入金
1年内 1.3億
長期 1.0億
合計 約2.3億

ほぼ無借金。

これは強い。

現金 53億。
営業CF 5億。
投資CF ▲13億(M&A+定期預金)。

現金は減ったが、危険水準ではない。

キャッシュ耐久力は十分。

倒産シナリオ?
3年連続赤字でも耐える。


④ 危険因子

1️⃣ 建設業の宿命
公共投資依存。
資材高騰・人件費上昇に弱い。

2️⃣ M&Aリスク
のれん 6.4億。
償却年1億超。

買収が失敗すれば利益圧迫。

ジョージの宿題:
買収4社の売上規模と利益貢献を確認。のれん回収年数を試算せよ。

3️⃣ 営業CFの急減
前期14.6億 → 今期5億。

税金支払と仕入債務増減の影響が大きいが、体力測定は必要。

ジョージの宿題:
運転資本の増減を3年比較して異常値がないか確認。


⑤ 最悪シナリオ仮説

公共工事減少20%
資材高騰
防災特需剥落

営業利益ゼロ近辺。

それでも
自己資本66%。
借入少額。

即死はない。

だが株価は半値コースは普通にある。

倒産より「長期低迷」が現実リスク。


⑥ 配当

19円。
配当性向18.7%。

極めて保守的。

内部留保型。
守備型経営。

優先株の配当はTIBOR連動。
金利上昇局面ではコスト増リスクあり。

ジョージの宿題:
優先株の残高と普通株EPSへの影響を確認。


⑦ 生存確率評価

財務安全性 ★★★★☆
収益安定性 ★★★☆☆
景気耐性 ★★★☆☆
倒産リスク 低

総評:
「地味に生き残る会社」。

爆発力はない。
だが沈みにくい。


⑧ 本質の怖さ

この会社の怖さは倒産ではない。

・利益率が低い
・公共依存
・M&Aの質

つまり「ジワジワ型リスク」。

指数暴落時に理不尽に売られるタイプ。

ジョージの戦略が
下落時厚く、2倍で回収
なら射程内に入る。

ただし、成長株ではない。
“防御寄りのリバウンド候補”。