投資家が金と銀のような相関関係を持つ銘柄、またはドル円のように逆相関する銘柄を見つけるには、業種や市場の動きに注目することが非常に重要です。
こうした株を見つけることで、リスク分散やパフォーマンスの向上が期待でき、トレード戦略に多角的な視点を持たせることができます。
具体的には、以下のような銘柄を検討することで、相関や逆相関のあるペアを見つけられます。
目次
金と銀のような相関と逆相関を持つ株をどう見つけるか
1. 相関関係のある株を探す
鉄鋼と資源関連株
鉄鋼業界の株と資源関連企業は、原材料価格に大きく依存するため、金と銀のように高い相関性を持つことが多いです。
特に、鉄鋼の需要が増加すると、鉄鉱石や銅などの資源価格が上昇し、それに伴って両方の企業の株価が似た動きをする傾向があります。
例えば、日本製鉄(5401)と住友金属鉱山(5713)は、どちらも資源価格に大きく影響を受けるため、同じトレンドを描きやすいです。
鋼価格や資源価格が上がると、両社の株価は連動して上昇することが一般的です。
金融株と住宅関連株
金利や経済の動向に左右される金融機関の株と住宅関連企業の株も相関性を持ちやすいです。
例えば、金利が上昇すれば、銀行は利ざやが拡大し利益を伸ばす一方で、住宅ローンの金利が上がることで住宅需要が減少し、住宅関連株に影響を与えることもあります。
三菱UFJ(8306)と積水ハウス(1928)は、金利動向に敏感な銘柄であり、景気の拡大期には両方の株価が同じ方向に動く傾向があります。
金利が上昇すると、銀行株が上昇し、住宅需要が減るため住宅株が停滞するケースもありますが、同じトレンドで動くことが多いです。
2. 逆相関する株を探す
輸出企業と内需企業
輸出関連企業と内需企業は、為替の影響で逆相関することがよくあります。
円安になると、輸出企業は製品の競争力が高まり、利益を伸ばしやすくなります。
一方で、内需企業は輸入コストの上昇により利益を圧迫されることがあります。
例として、トヨタ自動車(7203)は輸出企業として、円安によって利益を増やす一方で、イオン(8267)は国内需要を中心に事業を展開しているため、輸入コストの上昇により利益が減少することがあります。このような為替動向に敏感な銘柄同士は逆相関しやすいです。
エネルギー関連株と航空関連株
エネルギー価格が上がると、航空会社は燃料コストの上昇に直面し、利益を圧迫されます。
そのため、エネルギー関連株と航空関連株は逆の動きを見せることが多いです。
具体的には、ENEOSホールディングス(5020)はエネルギー価格の上昇に伴って株価が上昇することが多いですが、ANAホールディングス(9202)は燃料コストの増加で利益が減少し、株価が下落する傾向にあります。
このように、エネルギーと航空関連株は逆相関を示すことがあります。
3. 株の相関性を確認する方法
相関関係や逆相関を確認するためには、以下のステップを踏んでください。
相関性のチェック
TradingViewのようなツールを活用して、複数の銘柄のチャートを重ねて表示し、価格変動の方向性を確認するのが有効です。
2つの銘柄の動きがほぼ同じトレンドを描いている場合、それらの銘柄は相関関係にあると考えられます。
例えば、日本製鉄と住友金属鉱山の株価チャートを比較すると、原材料価格の変動に連動して両方の銘柄が同じ方向に動く様子を確認できるでしょう。
TradingViewの相関係数を用いることで、相関の強さを数値化することもできます。
逆相関性のチェック
逆相関のある銘柄を見つけるには、片方の株価が上昇しているときに、もう一方の株価が下落しているかどうかを確認するのがポイントです。
例えば、トヨタ自動車とイオンの株価動向を比較すると、円安局面ではトヨタの株価が上がり、逆にイオンの株価が停滞または下落する傾向があることが分かります。
TradingViewの「相関係数」を利用すれば、逆相関の強さを可視化することもできます。このようにして、逆相関するペアを見つけることができます。
4. トレード戦略における応用
これらの相関関係や逆相関関係を見つけた後、それをエリオット波動の手法に応用することで、より精度の高いトレードが可能になります。
エリオット波動の第3波は、強いトレンドが発生する場面で見られるため、相関関係のある銘柄同士を使うと、同様のトレンドを複数の銘柄で捉えることができます。
逆相関の銘柄を使用する場合も、エリオット波動のパターンを確認し、トレンドの反転を見逃さないようにすることが重要です。
まとめ
金と銀、ドル円のような相関や逆相関を持つ株を見つけることは、投資戦略を多様化させ、リスクヘッジにもつながります。
TradingViewなどのツールを活用し、相関性や逆相関性を確認することで、エリオット波動のトレンドを掴む精度も高まります。
このように、相関や逆相関を理解し、それを投資戦略に組み込むことは、より成功率の高いトレードを実現するための重要なステップです。