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2022年4月から10月までの金相場の下落を読み解く
ゴールドの月足チャートを眺めていたら、ちょっと変わったことに気がつきました。
2022年の春から秋にかけて、金価格がずーっと下がり続けていたんです(上記チャート参照)。
「えっ、なんでだろう?」と疑問に思い深掘りしてみることにしたんです。
この期間、一体何が起こっていたんでしょうか?
なぜ金価格はこんなに下がり続けたのか?
この記事では、そんな疑問にお答えします。
米ドルの強さ、金利の動き、そしてインフレや地政学的リスクなど、いろんな要因が絡み合って金価格に影響を与えていたんです。
これらを紐解いていくことで、きっと今後の相場を見る目、相場観が磨ければいいなと想い解説して行きますね。
一緒に、今かた2年前ですが、2022年の金相場の舞台裏を覗いてみましょう!
ドルの強さ:金価格下落の主役
上記のチャートでも分かるように、2022年春から秋にかけて、米ドルは驚くほどの強さを見せました。
これが金価格下落の大きな要因となったんです。
でも、なぜドルがこんなに強くなったのでしょうか?
その裏には、いくつかの重要な出来事が隠れていたんです。
まず、FRB(米連邦準備制度理事会)の動きに注目です。
インフレ対策として、FRBは積極的な利上げを行いました。
2022年3月から11月までの間に、政策金利を0.25%~0.50%から3.75%~4.00%まで引き上げたんです。
これは過去40年で最も急速な利上げペースでした。
金利が上がると、ドルを持つ魅力が増すんです。
次に、米国の経済指標の好調さも見逃せません。
特に雇用統計が注目を集めました。
2022年8月の失業率は3.7%とコロナ禍前の水準まで回復。
これは労働市場の強さを示し、ドル買いを後押ししました。
こうした要因が重なって、ドル指数(他の主要通貨に対するドルの価値を示す指標)は2022年9月に114.78まで上昇。
これは20年ぶりの高水準でした。
ドル高は金価格にどう影響したのか?
簡単に言うと、ドルが強くなると金の相対価値が下がるんです。
例えば、2022年10月17日を頂点にに1オンス2,050ドル近くまで上昇していた金価格は、9月には1,620ドル台まで下落しました。
これは約21%の下落です。
ドル高と金価格の関係は、まるでシーソーのようなものです。
ドルが上がれば金が下がる、そんな単純な図式ではありませんが、大きな傾向としてはそう考えられるんです。
この期間、投資家たちはドル建ての資産に注目し、金離れが進んだんですね。
でも、これって長く続くものなのでしょうか?次の章では、金利の動向にも注目してみましょう。
金利の動向:金価格を押し下げる大波
さて、次は金利の話です。
これがまた、金価格に大きな影響を与えたんです。
2022年、FRB(米連邦準備制度理事会)が行った利上げ政策は、まるでジェットコースターのように急激でした。
まず、数字を見てみましょう。
2022年3月には0.25%~0.50%だった政策金利が、12月には4.25%~4.50%まで跳ね上がったんです。
これって、わずか9ヶ月で4%も上がったことになります。すごい勢いですよね。
でも、なぜこんなに急いで金利を上げたのでしょうか?
その裏には、高インフレという大きな問題がありました。
FRBは、物価上昇を抑えるために、この荒療治とも言える政策を選んだんです。
金利が上がると、どんな影響があるのでしょうか?
まず、お金を借りるコストが高くなります。
企業の投資も減るし、個人のローンも組みにくくなります。
そして、金にとっても厳しい環境になるんです。
なぜかというと、金は利子を生まないからです。
金利が上がると、債券や預金の方が魅力的に見えてきます。
「金を持っていても利子が付かないなら、高金利の債券を買った方がいいかも」って考える人が増えるんですね。
実際、2022年4月から10月の間の金利推移を見ると、その影響がはっきり分かります。
米国債(2年)の利回りは、4月初めの約2.5%から10月末には約4.5%まで上昇しました。
これは金にとって大きな逆風となったんです。
こうした金利上昇の影響で、金の保有コストが増加し、多くの投資家が金から離れていきました。
その結果、金価格は下落の一途を辿ったんです。
でも、この状況はいつまで続くのでしょうか?
次の章では、インフレと地政学的リスクについて見ていきましょう。
これらの要因が、金価格にどんな影響を与えたのか、そして今後どうなっていくのか、一緒に考えてみましょう!
インフレと地政学的リスク:金価格の複雑な舞台裏
さて、ここからは少し複雑な話になりますが、一緒に紐解いていきましょう。
2022年、インフレという言葉をよく耳にしませんでしたか?
実は、このインフレが金価格にも大きな影響を与えていたんです。
まず、アメリカのインフレ率の動きを見てみましょう。
驚くべきことに、2022年6月には9.1%まで跳ね上がったんです!
これは、なんと40年ぶりの高水準。
「物価が1年で9%も上がった」ということですから、すごい勢いですよね。
一方、日本はどうだったでしょうか?
同じ時期の日本のインフレ率は2%程度。
アメリカと比べるとかなり低い水準でした。
でも、日本の感覚からすると、これでも「けっこう物価が上がったな」と感じた人も多かったはずです。
普通に考えると、「インフレが進むなら、金の価値も上がるんじゃないの?」と思いますよね。
実は、そう単純でもないんです。
アメリカの場合、インフレ対策として急激な利上げが行われました。
これが逆に金価格を押し下げる要因になったんです。
「え?どういうこと?」って思いますよね。
簡単に言うと、金利が上がると、「お金を銀行に預けておいた方が得じゃない?」と考える人が増えるんです。
そうすると、金を買う人が減って、金価格が下がってしまうんですね。
でも、ここで忘れちゃいけないのが地政学的リスク。
2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻は、世界中に衝撃を与えました。
こういう不安定な状況では、逆に「安全資産としての金」の価値が高まるんです。
実際、2022年3月には金価格が一時2,070ドル/オンスまで上昇しました。
これは史上最高値に迫る水準だったんです。
つまり、2022年の金価格は、インフレ、金利上昇、地政学的リスクなど、さまざまな要因が複雑に絡み合って動いていたんですね。
こう見てくると、金価格の動きって、世界の経済や政治の動きを映し出す鏡のようなものだと感じませんか?
次の章では、これらの要因を踏まえて、今後の金価格の展望について考えてみましょう!
結論:今後の金価格の展望 - 波乱の海を航海する黄金の船
さて、ここまで2022年の金価格の動きを振り返ってきましたが、これからどうなるんでしょうか?
正直、誰にも100%正確な予測はできません。
でも、これまでの流れを踏まえて、ちょっと考えてみましょう。
まず、金利の動向がカギを握りそうです。
FRBは2023年に入ってからも利上げを続けていますが、そのペースは少し落ち着いてきました。
今後、インフレが落ち着いてくれば、利上げのペースはさらに緩やかになるかもしれません。
そうなれば、金にとっては追い風になりそうですね。
次に、地政学的リスク。
残念ながら、世界の緊張状態はまだまだ続きそうです。
ウクライナ情勢に加え、中東や東アジアの緊張も気になるところ。
こういった不安定な状況は、「安全資産」としての金の魅力を高める可能性があります。
そして、忘れちゃいけないのがドルの動向。
ドル高が一服すれば、金価格にとってはプラスになるでしょう。
実際、2023年に入ってからは、ドル指数が2022年のピークから少し下がってきています。
また、中央銀行の金購入も注目ポイントです。
2022年、世界の中央銀行は過去最高レベルの金購入を行いました。
この傾向が続けば、金価格を下支えする要因になりそうです。
でも、ここで一つ言えるのは、金価格の動きは決して一方通行ではないということ。
上がったり下がったりを繰り返しながら、長期的なトレンドを形成していくんです。
自分たち投資家にとっては、この変動をどう見るかが重要になってきます。
短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、長期的な視点で金をポートフォリオの一部として考えるのも一つの方法かもしれません。
結局のところ、金価格の行方は、世界経済の動向、地政学的な状況、各国の金融政策など、様々な要因が絡み合って決まっていきます。
まるで、複雑な海図を読みながら航海するようなものですね。
これからも金市場から目が離せません。一緒に、この黄金の船の航海を見守っていきましょう!
きっと、思わぬ発見や学びがあるはずです。金融の世界は、本当に奥が深いんですね。
詳細なチャートはこちらをご覧ください。