消費者金融といえば「アイフル」「アコム」「レイクALSA」「プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)」の4社が主要プレイヤーだ。 本記事では、長期的な競争優位性と金融ショック時の倒産耐性(財務体力)の2軸で比較し、投資家目線で最も強い企業を明確にする。
目次
1. 4社の基本構造とグループ力
| 会社 | 親会社 | グループ力 | 資金調達コスト | コメント |
|---|---|---|---|---|
| アコム | 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG) | 最強クラス | 最低水準 | 銀行傘下の安定性とブランド力 |
| レイクALSA | SBI新生銀行(8303) | 強い | 低い | 銀行+SBIのIT力で成長余地大 |
| プロミス | 三井住友フィナンシャルグループ(SMBC) | 最強クラス | 最低水準 | 保証事業も巨大で収益源が多い |
| アイフル | 独立系 | 中 | 高め | 独立系ならではの柔軟性 |
2. 長期的競争優位性が最も強いのはどこか?
結論:アコム or プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス) 理由は以下の通り。
● アコム(MUFG)
- MUFGの信用力で資金調達コストが最も低い
- 審査通過率が高く、顧客基盤が厚い
- ブランド認知度が圧倒的
- 金利も大手の中で低めで競争力が高い
→ 貸金業は“資金調達コストが低い会社が勝つ”ため、構造的に有利。
● プロミス(SMBC)
- SMBCグループの完全子会社
- 銀行カードローンの保証業務が巨大な収益源
- 消費者金融+保証事業の二刀流で景気変動に強い
- デジタル戦略を三井住友カードと統合し強化中
→ 収益源が多角化しており、長期的に最も安定したビジネスモデル。
3. 大暴落しても倒産しない体力が最強なのは?
結論:アコム(MUFG)が最強。 次点でプロミス(SMBC)。
● アコムが最強な理由
- MUFGの支援力が日本最大級
- 資金調達コストが最も低い
- 財務基盤が厚く、景気悪化時の耐性が高い
- 業績も安定しており、自己資本比率も高水準
● プロミス(SMBC)
- SMBCグループの完全子会社で資本支援が強固
- 保証事業が巨大で、景気悪化でも収益が落ちにくい
4. レイクALSA(SBI新生銀行)はどうか?
- SBI新生銀行の傘下で安定性は高い
- 無利息365日など独自サービスが強い
- ただし審査が厳しめで市場シェアは伸びにくい
→ 成長余地はあるが、競争優位性はアコム・プロミスに劣る。
5. アイフルはどうか?
- 独立系で柔軟な審査が強み
- ただし資金調達コストが高く、景気悪化時のリスクは銀行傘下より大きい
→ 攻めの会社だが、守りの強さでは劣る。
6. まとめ
長期的に安定して競争力を維持できるのはアコムとプロミスの2社で、とくに倒産リスクの低さという点ではアコムが頭ひとつ抜けている。
いずれも大手銀行グループの強固な支援を背景にしており、業界全体を見ても“銀行傘下”という構造そのものが他社に対して圧倒的な優位性を生み出している。
7. 追記:最新株価(2025/12/19 時点)
- アコム(8572):486.9円
- アイフル(8515):560円
- SBI新生銀行(レイクALSA親会社 8303):1,731円
- プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス):非上場(SMBCグループ100%子会社)
