企業分析

企業分析リポート:ヤマハ発動機【優待】

楽天証券にらくらく優待というのがあり、以下の条件でスクリーミングをかけてみた。

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該当した銘柄が以下の4つで、その中からヤマハ発動機について企業分析リポートを作成するよ。

 

目次

企業分析リポート:ヤマハ発動機

アジアで強い世界的2輪メーカー。多角化と提携で成長し、ロボット・自動運転にも投資。円安が追い風。

 

会社名とその由来

🏍️ 会社名:ヤマハ発動機株式会社(Yamaha Motor Co., Ltd.)

🔍 由来:楽器メーカー「ヤマハ」から生まれた“発動機部門”が独立したため

ポイントだけまとめると👇

元々は 楽器メーカーのヤマハ(日本楽器製造株式会社) の中に “発動機(エンジン)部門” があった。1955年にその発動機部門が独立して 「ヤマハ発動機株式会社」 として設立。「ヤマハ」のブランド名を継承しつつ、 “発動機(Motor)を作る会社” という意味を明確にした名前になった

つまり、👉 “ヤマハの発動機を作る会社”だからヤマハ発動機。

 

ヤマハ発動機のシンボルマークについて

ゲオルグ
右下のヤマハ発動機のロゴはホイルに音叉のシンボルが刺さってホイルに見えるのが、「ヤマハ」との違いだね。

ヤマハ発動機のシンボルマークは、楽器の調律に使われる音叉(チューニングフォーク)を3本組み合わせたデザインで、オートバイのホイールをイメージしたものになっている。

この音叉マークは、1897年に設立された日本楽器製造株式会社(現・ヤマハ株式会社)の社章を継承したもので、ヤマハ発動機でも創立時から使用されている。

3本の音叉には、当初「製造・販売・技術の連携によって世界へ羽ばたく」という意志が込められていたが、現在では「お客様」「社会」「個人(従業員)」を象徴する意味も加わっている。

これらは、ヤマハ発動機が掲げる「価値の創造」「社会的責任の遂行」「誇りある企業風土の実現」という3つの経営理念を表しており、企業としての姿勢を象徴する重要なマークとなっている。

<引用元:企業理念より

 

沿革

1950年代

  • 1955年:日本楽器製造(現ヤマハ)から発動機部門が独立し設立
  • 創業者・川上源一が掲げた思想「生活を楽しむ」が企業の原点に
  • 初代バイク「YA-1」発売(性能+美しさ=“感動”を追求)

創業者・川上源一は、欧米視察で目にした豊かなレジャー文化に強い衝撃を受け、「人々が生活を楽しむ社会は必ず日本にも訪れる」と確信した人物である。この“生活を楽しむ”という思想は、ヤマハ発動機の根幹となり、現在の企業目的である「感動創造企業」へとつながっている。

1960年代

  • 二輪事業をアジア中心に海外展開
  • 船外機事業を開始
  • 「人々が安全に海を楽しめる世界をつくる」という思想で品質重視へ

1970〜80年代

  • スノーモビル、バギーなどレジャー分野へ多角化
  • “挑戦・没頭・感動”という創業思想が製品開発の軸に

1990年代

  • 産業ロボット・電子基板実装機など工業分野へ進出
  • 海外生産体制を強化

2000年代

  • 2008年:リーマンショックで業績悪化 → 構造改革で急回復
  • “能動的な挑戦”という創業思想が再び経営の支えに

2010年代

  • ホンダと50cc以下の原付・電動バイクで提携
  • 2019年:新川と事業統合しロボティクス強化
  • 自動運転ベンチャー(ティアフォー等)へ出資

2020年代

  • アジア市場で二輪が好調、マリン・ロボティクスも成長
  • 円安が業績を押し上げる
  • 創業理念「生活を楽しむ」「感動創造企業」を軸に事業拡大

ヤマハ発動機は、創業以来一貫して「生活を楽しむ」ことの本質を追求しながら、二輪・マリン・ロボティクス・先端技術へと事業を広げてきた。挑戦と探求を通じて生まれる“感動”を提供するという創業の精神は、今も変わらず企業の中心にある。

経営陣

ヤマハ発動機の経営陣は、製造・技術・財務・グローバル経営など多様な専門性を持つメンバーで構成されており、バランスの取れたガバナンス体制が特徴。

  • 渡部 克明(取締役会長) 主要事業を長年統括してきた中心人物。グループ全体の方向性を示す役割。
  • 設楽 元文(代表取締役社長) グローバル戦略と事業運営に強み。アジア成長と事業ポートフォリオ改革を推進。
  • 丸山 平二(取締役) 製造・技術の専門家。品質・生産体制の強化を担当。
  • 松山 智彦(取締役) 経営管理・財務に精通。中期経営計画の推進役。
  • 社外取締役(田代・大橋・Montesano・増井・Casanova) ガバナンス、製造業、海外経営、財務、マーケティングなど多様な視点を提供し、経営監督を強化。
  • 監査役(常勤・社外) 内部統制・会計・法務の専門家が揃い、経営の健全性を支える体制。

事業内容

1 二輪車事業(Motorcycle)売り上げ構成比率 60%

ヤマハ発動機の中核事業で、売上の約半分を占める主力部門。

アジア市場、とくにインドネシア・インド・ベトナムが収益の柱となっている。スポーツモデルからスクーターまで幅広いラインアップを持ち、走行性能とデザイン性を両立させた“ヤマハらしさ”が強み。ホンダとの協業により、50cc以下の原付や電動バイクの開発・生産効率も高まっている。

2 マリン事業(船外機・ボート・水上レジャー)売り上げ構成比率 20%

船外機で世界トップクラスのシェアを持つ高収益部門。

川上源一が「人々が安全に海を楽しめる世界をつくる」という思想から始まった事業で、信頼性の高さが評価されている。ボート、ウォータービークル、船舶制御システムなども展開し、レジャーから業務用途まで幅広く対応。為替(円安)の恩恵を強く受ける部門でもある。

3 ロボティクス・産業機械事業 売り上げ構成比率 10%

電子基板実装機(マウンター)や産業ロボットを展開する成長領域。2019年に半導体装置メーカー「新川」と事業統合し、ロボティクス技術とのシナジーを強化。自動化需要の拡大を背景に、安定した収益源として存在感が高まっている。自動運転ベンチャー(ティアフォー、DMP)への出資もこの領域の延長線上にある。

4 スペシャルビークル事業(バギー・スノーモビルなど)売り上げ構成比率 5%

北米を中心に人気の高いレジャービークルを展開。バギー(ATV)、サイド・バイ・サイド(ROV)、スノーモビルなど、アウトドア用途の製品が中心。高価格帯で利益率が高く、マリンと並ぶ“稼げる事業”。レジャー文化の成熟した欧米市場で強みを発揮している。

5 金融サービス事業

二輪車やマリン製品の販売に付随するローン・リースなどを提供する部門。販売支援として重要な役割を果たし、安定した収益を生む。海外市場での販売拡大に伴い、金融サービスの存在感も年々高まっている。

6 その他事業(電動アシスト自転車・部品・協業領域)

電動アシスト自転車(PAS)や発電機、エンジン受託生産(トヨタとの提携)など、多様な事業を展開。特に電動アシスト自転車は国内で高いシェアを持ち、安定した収益源となっている。

  • 売上の柱は二輪(60%)
  • 利益の柱はマリン(利益率トップ)
  • ロボティクスは成長+高収益で今後の伸びしろ大
  • スペシャルビークルは北米景気に連動して利益率が跳ねる

成長モデル(ヤマハ発動機が成長する仕組み)

ヤマハ発動機の成長モデルは、「二輪で安定収益を確保しつつ、高収益事業で利益を伸ばす」という構造が特徴。

具体的には以下の3本柱で成長を作っている。

 

① 二輪 × アジア市場の量的成長

  • インドネシア・インド・ベトナムなど人口増加国が中心
  • 中間層の拡大で二輪需要は底堅い
  • 電動化も徐々に進み、ラインアップ拡充でシェア維持 → “量で稼ぐ”安定基盤

② マリン・スペシャルビークルの高収益成長

  • 船外機は世界トップクラスのブランド力
  • 北米のレジャー市場は堅調
  • バギー・ROVは高価格帯で利益率が高い → “利益を稼ぐ”成長エンジン

③ ロボティクス・自動化領域の構造的成長

  • 基板実装機(マウンター)は世界的に需要が拡大
  • 新川との統合で半導体装置とのシナジー
  • 自動運転・センシング技術への投資も継続 → “未来の柱”として伸びる領域

 

伸びしろ(今後3〜5年で伸びる領域)

ヤマハ発動機の伸びしろは、以下の3つが特に大きい。

 

① マリン事業のさらなる拡大

  • 世界的にレジャー需要が堅調
  • 船外機の信頼性が高く、ブランド力が強い
  • 為替(円安)が追い風 → 利益率トップの事業がさらに伸びる

② ロボティクス・自動化の需要増

  • 世界的な人手不足
  • 工場の自動化ニーズが急増
  • 半導体・EV関連の設備投資が続く → 中長期で最も伸びる可能性が高い

③ アジア二輪市場の電動化シフト

  • インド・インドネシアでEVスクーター需要が拡大
  • ホンダとの協業で開発効率が高い → “量×電動化”で新たな収益源に

3年後の未来像(2028年頃のヤマハ発動機)

現状の戦略と市場環境を踏まえると、3年後のヤマハ発動機はこうなる可能性が高い。

 

① マリンが利益の中心としてさらに存在感を強める

  • 高収益体質が続く
  • 船外機の世界シェアがさらに拡大 → “利益の柱”として確固たる地位に

② ロボティクス事業が今より大きな柱に成長

  • 売上比率が現在の約10% → 15%前後へ拡大する可能性
  • 半導体・EV関連の設備投資が追い風 → 二輪・マリンに次ぐ第3の柱へ

③ アジア二輪市場で電動化が本格化

  • EVスクーターのラインアップが増加
  • ホンダとの協業効果でコスト競争力が向上 → “量×電動化”で収益改善

④ 企業価値は「モビリティ × ロボティクス企業」へ進化

  • 二輪メーカーの枠を超えた企業像に
  • 自動運転・センシング技術の活用も進む → “感動創造企業”としての幅がさらに広がる

  • 二輪で安定、マリンで稼ぎ、ロボティクスで未来をつくる。
  • 3年後は「二輪メーカー」ではなく「モビリティ×ロボティクス企業」へ進化している。
  • 円安・アジア成長・自動化需要という追い風が続く限り、伸びしろは大きい。

市場規模(グローバル二輪市場)

世界の二輪車市場は、年間 約7.5〜8.3兆円規模(約758億〜830億ドル) と推定されている。

  • 2024年の世界二輪市場規模:約758億ドル
  • 2031年には 約830億ドル に拡大予測(CAGR 1.3%)

ヤマハ発動機の二輪販売台数は

  • 2024年:4.8百万台
  • 世界3位のメーカー(1位ホンダ、2位Hero(インド))

🏍️ 4.13 ヤマハ発動機の市場ポジション

検索結果によると、ヤマハは

  • 世界3位の二輪メーカー
  • 2024年の販売台数は 480万台

世界の二輪市場はインド・中国・東南アジアが中心で、ヤマハは特に

  • インドネシア
  • インド
  • ベトナム で強い。

🏍️ 同業他社比較(世界シェア)

検索結果から得られる世界主要メーカーの位置づけをまとめるとこうなる👇

メーカー世界順位特徴出典
ホンダ(Honda)世界1位圧倒的シェア。アジア全域で強い
Hero MotoCorp(インド)世界2位インド国内で圧倒的。低価格帯が強み
ヤマハ発動機世界3位スポーツ・デザイン性に強み。アジア中心
TVS(インド)世界上位インド・アジアで成長中
BMW / Harley-Davidson高価格帯プレミアム市場で強い

🏍️ 市場規模 × ヤマハの立ち位置

  • 世界二輪市場は 約7.5〜8.3兆円規模
  • ヤマハは 世界3位 の大手メーカー
  • アジア市場が最大の戦場
  • ホンダが圧倒的首位、Heroが2位
  • ヤマハは 中価格帯〜スポーツモデルで強いポジション
  • 2024年の販売台数は 480万台(前年比+4.4%)

🔥 公ちゃんの総括

  • 市場規模は巨大(8兆円級)で安定成長
  • ヤマハは世界3位の強者
  • ホンダが圧倒的だが、ヤマハは“デザイン・スポーツ・ブランド力”で差別化
  • アジアの人口増加が追い風
  • 電動化・ロボティクスで今後の伸びしろも大きい

貸借対照表

決算年月日2020年12月31日2021年12月31日2022年12月31日2023年12月31日2024年12月31日
現預金等272,373276,412up288,780up338,839up372,999up
その他流動資産649,190768,286up1,016,903up1,174,399up1,235,369up
有形固定資産338,788354,127up390,978up441,214up486,844up
無形固定資産11,23528,419up42,553up63,142up68,829up
投資等369,327405,673up444,077up545,967up619,460up
総資産1,640,9131,832,917up2,183,291up2,563,561up2,783,501up
流動負債571,853657,505up908,641up1,082,785up1,350,289up
固定負債354,416316,186down271,577down405,002up271,643down
資本(純資産)合計714,644859,226up1,003,073up1,075,774up1,161,569up
負債資本合計1,640,9131,832,917up2,183,291up2,563,561up2,783,501up

※単位:百万円

① 総資産は右肩上がりで+1.1兆円増(成長企業の典型)

  • 2020年:1.64兆円
  • 2024年:2.78兆円 → 5年で約1.14兆円増加(+70%)

事業拡大・投資拡大が明確に見える。

② 現預金は5年で+1000億円増(財務の安定性が強化)

  • 2020年:2,723億円
  • 2024年:3,729億円 → キャッシュが厚くなり、投資余力が増加

③ 流動資産が大幅増(売上拡大の裏付け)

  • その他流動資産が 6490億 → 1.23兆円 → 売掛金・棚卸資産の増加=事業規模の拡大

④ 有形固定資産・無形資産・投資が大幅増(攻めの投資姿勢)

  • 有形固定資産:3387億 → 4868億
  • 無形資産:112億 → 688億
  • 投資等:3693億 → 6194億

→ 工場投資、ロボティクス、M&A、研究開発など 未来への投資が加速している。

⑤ 流動負債が急増(成長の裏返し)

  • 5718億 → 1.35兆円 → 売上増に伴う仕入債務・短期借入の増加 → ただし現預金も増えているため、危険な増え方ではない

⑥ 固定負債は増減あるが、全体としては縮小傾向

  • 2020年:3544億
  • 2024年:2716億 → 長期借入金の圧縮が進んでいる → 財務の健全化が進行

⑦ 純資産は5年で+4,400億円増(自己資本が強化)

  • 2020年:7146億
  • 2024年:1兆1,615億 → 内部留保が積み上がり、財務体質が強化

 

損益計算書

決算年月日2020年12月31日2021年12月31日2022年12月31日2023年12月31日2024年12月31日
売上高1,471,2981,812,496up2,248,456up2,414,759up2,576,179up
売上合計1,471,2981,812,496up2,248,456up2,414,759up2,576,179up
売上原価1,099,4861,305,655up1,614,711up1,602,515down1,754,214up
その他費用収益318,739351,262up459,305up653,823up713,895up
費用等合計1,418,2251,656,917up2,074,016up2,256,338up2,468,109up
売上総利益371,812506,841up633,745up812,244up821,965up
税引前当期利益84,990199,704up245,798up236,073down183,175down
当期純利益53,073
(3.6%)
155,579up
(8.6%)up
174,440up
(7.8%)down
158,421down
(6.6%)down
108,070down
(4.2%)down
当期純利益53,073155,579up174,440up158,421down108,070down

※単位:百万円

① 売上高は5年連続で増加(+1.1兆円の成長)

  • 2020年:1.47兆円
  • 2024年:2.57兆円 → 5年で約1.1兆円増(+75%)の大幅成長

アジア二輪・マリン・ロボティクスの拡大が寄与。

② 売上総利益は2倍以上に増加(粗利改善が顕著)

  • 2020年:3,718億円
  • 2024年:8,219億円 → 粗利が5年で+4,500億円増

売上増に加え、

  • 高収益のマリン
  • ロボティクス の伸びが効いている。

③ 売上原価は増えているが、売上成長が上回る

  • 原価は増加傾向だが、2023年だけ一時的に減少
  • 2024年は再び増加(原材料高・物流コストの影響)

原価率は改善傾向で、利益体質が強化されている。

④ 営業費用(その他費用収益)は大幅増(成長投資が進む)

  • 2020年:3,187億円
  • 2024年:7,138億円 → 研究開発・販売費・ロボティクス投資が増加

成長企業らしい“攻めの費用構造”。

⑤ 税引前利益は2022年をピークに減少

  • 2022年:2,457億円(ピーク)
  • 2024年:1,831億円(減少)

理由としては

  • 原材料高
  • 為替影響の縮小
  • 投資費用の増加 が考えられる。

⑥ 当期純利益は2022年をピークに減少

  • 2020年:530億円
  • 2022年:1,744億円(ピーク)
  • 2024年:1,080億円

利益率は 8.6% → 4.2% に低下

ただし、

  • 売上は伸びている
  • 投資も増えている → “成長投資フェーズ”に入っていると読み取れる。

キャッシュフロー

決算年月日2020年12月31日2021年12月31日2022年12月31日2023年12月31日2024年12月31日
営業活動によるキャッシュフロー110,487141,406up70,922down86,356up182,375up
投資活動によるキャッシュフロー-43,950-51,026down-74,160down-116,126down-128,748down
財務活動によるキャッシュフロー83,668-93,488down23,103up88,532up-46,426down
現預金等の換算差額-5,74410,864up2,017down-8,567down18,781up
現預金等純増減額144,4617,756down21,882up50,195up25,982down

※単位:百万円

① 営業CF:安定しつつ、2024年に大きく改善

  • 2020:1,104億円
  • 2024:1,823億円 → 本業の稼ぐ力が大幅に強化

2022年に一時落ち込むが、2023〜2024年でしっかり回復。 売上成長+高収益事業(マリン・ロボティクス)の寄与が大きい。

② 投資CF:5年連続でマイナス(=積極投資)

  • 毎年 –400〜–1,200億円規模 の投資
  • 2023〜2024年は特に大きい(–1,161億円、–1,287億円)

設備投資・ロボティクス・研究開発・M&Aなど、未来への投資を強化している証拠。 → 成長企業の典型的なCF構造。

③ 財務CF:年ごとに大きく変動(資金調達と返済を調整)

  • 2020:+836億(調達)
  • 2021:–934億(返済)
  • 2023:+885億(調達)
  • 2024:–464億(返済)

成長投資に合わせて、借入と返済を柔軟にコントロールしている。

④ 現金残高:5年で+1,000億円増(財務の安定性が向上)

現預金純増減額

  • 2020:+1,444億
  • 2024:+259億

→ 投資が増えても、現金はしっかり積み上がっている → 財務リスクは低い。

 

まとめ:ヤマハ発動機は「安定 × 成長 × 未来」の三拍子が揃った優良企業

ヤマハ発動機は、アジアを中心とした二輪事業で安定した収益基盤を持ちながら、 マリン・ロボティクス・スペシャルビークルといった 高収益・高成長領域 を伸ばすことで、 着実に企業価値を高めている。

財務面では、

  • 総資産+1.1兆円増
  • 純資産+4,400億円増
  • 現金残高も増加 と、成長投資を続けながらも財務の健全性を維持しており、 「攻め」と「守り」のバランスが非常に良い。

損益面では、2022年をピークに利益が一時的に低下しているものの、 これはロボティクス・設備投資・研究開発など 未来への投資負担 が要因で、 中長期的にはむしろプラスに働く構造だ。

市場環境を見ると、

  • アジアの人口増加
  • 世界的な自動化需要
  • 円安メリット といった追い風が続いており、 ヤマハ発動機の成長ストーリーはまだ序盤と言える。

特に今後は、 「二輪メーカー」から「モビリティ × ロボティクス企業」へ という進化が本格化し、 マリン・ロボティクスが利益の柱として存在感を増していく。

優待銘柄としての魅力に加え、 財務の強さ、事業ポートフォリオのバランス、成長領域への積極投資など、 長期投資の観点でも十分に評価できる企業だといえる。