相場日記と分析

ゴールドとドル円の相関関係が変わった理由:市場の変動を読み解く

ゲオルグです!

今回は、ゴールドとドル円が同時に上昇するという通常では考えにくい動きについて分析していきます。

これには、最近の経済データや市場の動向が大きく影響しているようです。

複数の要因が絡み合ったこの現象を解説しますので、最後まで読んで頂けるように頑張ります!

 

ゴールドとドル円の相関関係が変わった理由

昨日(8月8日)左側からゴールド、シルバー、ドル円の順に並んでます。

 

市場の動きの背景

通常、ドルが強くなるとゴールドの価格は下がる傾向があります。

これは、ゴールドがドル建てで取引されるためです。

また、米国債の利回りが上昇すると、投資家は金利のつかないゴールドよりも、利回りの高い債券を選ぶため、ゴールドは売られることが多いです

しかし、昨日の市場では、ゴールドとドル円が同時に上昇するという動きが見られました。

 

複合的な要因

昨日の動きには、複数の要因が絡み合っていると考えられます。

まず、アメリカの新規失業保険申請件数が予想よりも少なく労働市場の健全さが確認されたことで、ドルが強含みとなりました。

また、10年国債の利回りが4%に達したことで、通常であればゴールドが売られる局面です。

しかし、ここで重要なのは先週金曜日に発表された雇用統計です。

最新の米国雇用統計は予想を下回る結果となり、労働市場に予想以上の弱さが見られました。

この予想外の弱さは、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に関する見方を変える可能性があります。

具体的には、利下げの可能性が高まったと市場は捉えており、これによりリスク選好の傾向が強まっています。

一方で、テクノロジーセクター、特にハイテク企業の株価が高騰を続けている状況下、慎重な投資家たちはポートフォリオのバランスを取るため、リスクヘッジとしてゴールドのポジションを維持する動きを見せています。

さらに、日本銀行が金融政策の正常化に向けた動きを示唆したことで、円高傾向が強まっています。

この動きは、一般的にはゴールド価格にとってマイナス要因となりうるものの、現在の市場環境下では、むしろゴールドの魅力を高める要因となっています。

 

1. 経済指標の影響

アメリカでは、毎月重要な経済指標が発表されます。

直近だと、先週金曜に雇用統計の発表がなされ日本株が暴落しましたよね。

これらの指標は、インフレ率や雇用状況など、経済の健全性を示すデータです。

例えば、インフレ率が予想以上に高かった場合、投資家はゴールドを安全資産として購入します。

また、インフレ率が高いと、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)が金利を引き上げる可能性があり、これがドルの強さに影響を与えることがあります。

 

2. 米国債利回りの動向

米国債利回りも市場に大きな影響を与えます。

米国債利回りが低下すると、投資家は他の投資先を探し、安全資産であるゴールドが買われることが増えます

同時に、ドル円も同じ方向に動くことがあります。

 

3. 中央銀行の動き

中央銀行の政策もゴールドとドル円に影響を与える要因です。

例えば、もし日本銀行が為替市場に介入すると示唆したり、FRBが予想外の政策を発表した場合、

ドルとゴールドが同じ方向に動く可能性があります。

 

昨日の具体的なデータ

昨日の市場で特に注目すべきは、アメリカの新規失業保険申請件数が予想を下回ったことです。

これにより米国金利が4%近くまで上昇して円安ドル高になりました(下記図参照)

また、米国債の利回りも低下しており、これがドルに対する圧力となり、結果的にゴールドとドル円が同じ方向に動いたのです。

SBIリクイディティ・マーケットさんのマーケットコメントで新規失業保険申請件数が予想を下回ったことが分かりました。

 

まとめ

通常逆相関にあるゴールドとドル円が同じ方向に動くことは、特定の市場状況において起こりうることです。

昨日のようなケースでは、アメリカの新規失業保険申請件数が予想を下回ったことが起因して、

経済指標の結果や米国債利回りの変動、さらには中央銀行の動きがその要因となったようです。

色々な要素が複合的に重なって起きるので一概に言えないですが、少しずつ学んでトレードの勝率UPになればと思います。

以上、今回はゴールドとドル円の相関関係について解説しました。