ゲオルグです!
突然ですが、プロスペクト理論という言葉を聞いたことがありますか?
トレードを始めるまで自分は全く知らない言葉でした。
この理論を理解することがトレードで成功するカギを握ることになります。
普通の常識でトレードを行うと、なぜか負けてしまうことが多いです。
その理由として「トレードはゼロサムゲームだから、誰かが勝てば誰かが負ける」とか「機関投資家が素人を狙っている」と言われますが、
もっと本質的な問題があるのではないかと疑問に思っていました。
そんな時に出会ったのがプロスペクト理論です。
この理論は、人間の本能に逆らう行動をとることが、トレードで成功するための重要な要素であることを教えてくれました。
今回は、このプロスペクト理論に基づいた具体的なゴールドの取引事例をもとに、
人間が本能的にどんな行動をとってしまうのかを検証してみたいと思います。
最後まで読んで頂けるように頑張ります!
目次
なぜトレードで勝てない?プロスペクト理論が明かす本能の罠
まず、プロスペクト理論の簡単な説明から行きます。
プロスペクト理論とは?
プロスペクト理論は、1979年にカーネマンが提唱した意思決定モデルです。
この理論は、人間がリスクを伴う状況でどのように判断し行動するかを説明しています。
主なポイント:
- 人は必ずしも合理的に行動しない
- 損失回避傾向がある(同じ金額でも、得るよりも失うことを重く感じる)
- 確実な結果と不確実な結果で判断が変わる
この理論は、経済学や心理学、マーケティングなど幅広い分野で応用されており、人間の意思決定プロセスをより現実的に理解するのに役立っています。
具体的なトレードの例を挙げてます。
最初のトレードで1万円の利益を得たとします。
次に、2回目のトレードで10万円の利益を得たとしても、喜びが10倍になるわけではありません。
この「嬉しさ」や「満足感」は人それぞれ異なり、必ずしも利益の額と比例しません。
さらに、人は利益と損失を同じ基準で評価することが難しい傾向があります。
例えば、同じ金額の損失が利益よりも大きな感情的インパクトを持つことがあります。
ポイント
これが、プロスペクト理論が示す「人は本能的に利益と損失を非対称に捉える」という重要なポイントです。
実際に、この理論がトレードにどのように作用しているか見ていきましょう。
プロスペクト理論のトレード心理作用とは
具体的なプロスペクト理論のトレードにおける心理作用は以下の3つに分けれます。
- 損大利小: 人は「利益」より「損失」に敏感に反応
含み益は直ぐに利確し含み損は長く持って回避しようとする。 - 聖杯探し: これをやれば絶対勝てるという聖杯を探す
インジケーターだけ見てトレードするのもここに入ります。 - 感情重視: 実際の確率よりも、主観的な確率を重視
みんなが売っている買っているという感情で決断してしまう。
トレードで勝率を上げるには、この3つの心理と逆のことを行えばいいことになります。
ポイント
「損小利大で聖杯を探さず感情トレードをしない」
とっても簡単そうに聞こえませんか?
でも、実際に自分のお金を賭けてやってみるそう簡単ではないんですよね。
プロスペクト理論に基づいた具体的なゴールドの取引事例
それでは、プロスペクト理論に基づいた具体的なゴールドの取引事例を見て行きます。
例1:価格上昇で利確かトレンドフォローするか?
含み益がある場合の一例として
人の本能に沿った行動をする場合とは...
例えば、2400ドルでゴールドを買う、2420ドルまで上昇したところで、「20ドルの利益が出たから売ろう」と考えて利確する。(下記チャート参照)
人の本能に逆らう行動をする場合どうなるか...
2400ドルで買ったゴールドが2420ドルまで上昇しても、上昇トレンドが続いている限り持ち続ける。
実際の下記チャートを見てください。
2420ドルで利確後2430ドルを超えて長いヒゲ2本つけてから、
急転して陰線をつけて2420ドルまで戻って来てしまいました。
その後、揉み合いが続き5〜6時間後に反転して上昇してますよね。
チャートを見ながらトレードしている人のほとんどは、
しっかりと納得した根拠があって「利確せずにトレンドフォローで行くぜ!」
と決めても2420ドルまで戻ってきた段階で利確してしまいます。
2500ドルまで利確せずにチャートを見ながら耐えられる人は、
相当なベテラントレーダーか、もしくはトレーダー向き気質の人です。
2500ドルまで利益を引っ張るメリットとデメリット
メリット:
- より大きな利益を得るチャンスが増える
- 長期的なトレンドに乗れる
- 取引回数が減り、手数料を節約できる
デメリット:
- 一時的な価格下落に耐えなければならない
- 含み益に対する不安や心理的な負担が増す
これらのメリットとデメリットを見ると、「待つこと」がなぜ重要かが分かります。
利益を追求する一方で、価格変動によるストレスにも耐える必要があるため、トレードには忍耐が求められるのです。
次に、含み損を抱えた場合を例として説明します。
例2:価格下落で損切りかお祈りトレードするか?
AIさんにプロスペクト理論の概念図を作ってもらいました。(下記図)
もう少し損失のカーブが急だと分かりやすのですが、AIさんにはたぶん損失という概念がないんでしょうね。
初心者が損切りと利食いを決めにくい理由の一つは、トレードに慣れていないことだけでなく、人間の本能に影響される行動もあります。
人間の本能による行動の例
2400ドルでゴールドを買い、価格が2350ドルまで下落すると、「もう少し待てば戻る」と考え損失を抱えたまま保有し続けます。
目先の損失を避けたいという本能が働くのです。
人間の本能に逆らう行動の例
あらかじめ設定した損切りラインの2380ドルで売り、損失を確定させます。
簡単そうに思えますが、初心者の頃は、実際に損切りラインが近づくと、そのラインを動かしたくなる衝動に駆られますので試してみて下さい。
メリット:
- 大きな損失を避けることができる
- 新しい取引機会に資金を活用できる
- 心理的ストレスが軽減される
デメリット:
- 小さな損失を確定させることになる
- 売却後に価格が反転すると後悔する可能性がある
人は本能的に損失を嫌うため、損切りが苦手であるのは自然なことです。
初心者トレーダーへのアドバイス
次に、初心者トレーダーに向けた具体的なアドバイスを紹介します。
1. 取引前に利確ラインと損切りラインを設定する
取引を始める前に、どの価格で利益を確定し、どの価格で損失を確定するかを決めます。
自分は、これが最初の試練でした。利確と損切りを決めるようになってから勝率がUPしました。
これにより、感情に左右されずに冷静に対応できるようになりました。
2. 設定したラインに従い、感情に流されない行動を心がける
取引中、価格が設定したラインに達したら迷わず行動することが大切です。
感情に流されてラインを変更すると、損失が拡大するリスクがあるのと、後で振り返った時に一定のルールがないことで出たとこ勝負のトレードになっり勝率が安定しなくなります。
3. 小さな変動にとらわれず、大きなトレンドを見る習慣を持つ
短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的なトレンドを意識しましょう。
4時間足を主軸にしてから勝率が安定しコツコツドカン〜がなくまりました。
4. リスク管理を徹底し、一回の取引で大きな損失を避ける
リスク管理を徹底し、ポジションサイズを適切に設定して損失を最小限に抑えることが大切です。
トレードの怖いところは、一度大きなロットで勝つと「今度も勝てるじゃないか...」と、裏付けのない思い込みから、大きくかけてリスク管理を蔑ろにしてしまうことです。
「損小利大」を意識して、負けてもいい金額以上にギャンブルトレードは絶対やめましょう。
まとめ
最後に、今回の内容をまとめます。
プロスペクト理論に逆らう行動をとることは、初めは難しく感じるかもしれません。
しかし、この原則を理解し、実践することで、勝率は必ず高まります。
トレードでコンスタントに勝ち続けている人は、この理論を無意識に習得しています。
トレードは実践と経験を通じて学ぶものですが、この理論を事前に知ることで、
無駄な損失を抑えられます。
ただし、ロット数を上げた、緊張した場面は要注意です。
そのような場合、本能は緊急事態だと判断します。
「損小利大で、聖杯を探さず、感情トレードをしない」を胆に銘じて、
本能に負けずに無意識に使いこなせるように反復継続を繰り返しましょう。
読んでいただきありがとうございました!