※本稿は「企業サイト・IR情報・決算短信」をもとに、
事業の耐久性/評価の歪み/市場との向き合い方を整理する。
※事業内容や業績推移の詳細は、別途「企業存続分析リポート」にて扱う。
目次
① この銘柄をどういう前提で扱うべきか
まず最初に整理すべきは、
この銘柄を「どの前提」で見るかだ。
本銘柄は成長株ではない。
急拡大や高ROEで評価されるタイプではない。
むしろ、
- 無借金経営
- 12,362百万円の純資産
- 安定的な小売事業
を軸にした耐久型・資産寄りの小売株と捉えるのが自然。
したがって、
株価が動かない=失敗
ではない。
市場の主戦場は「成長ストーリー」であり、
ここは評価軸が違う世界にいる。
② 事業は何によって支えられているか
本銘柄の事業構造は、
- 店舗販売中心のフロー型小売
- 補聴器・アフターサービスによる準ストック型収益
の組み合わせ。
特に重要なのは、
- 補聴器のレンタル・アフターサービス
- 視力・聴力補正という生活必需性
この部分は景気連動性が比較的弱い。
一方で、
- 眼鏡は買い替え周期型
- サングラスは季節・気候依存
- セール依存で粗利が揺れる
という不安定要素も抱える。
つまり、
完全なディフェンシブではないが、崩れにくい生活関連小売
という立ち位置。
③ その収益はどれくらい安定しているか
第3四半期累計で、
- 売上 11,648百万円(+3.0%)
- 営業利益 186百万円(黒字転換)
赤字からは脱却。
ただし注目すべきは、
✔ 利益率は依然として低水準
✔ 値引き・販促で利益が圧迫されやすい
✔ 仕入コスト上昇の影響を受けやすい
つまり、
利益は出るが、厚みがない
これがNC比率が伸びにくい最大の理由。
無借金でも、
- キャッシュが爆発的に積み上がらない
- 利益率が低い
- 店舗改装・在庫投資が継続発生
結果として、
現預金が大きく増えない構造になっている。
④ 財務と資産はどこまで耐えられるか
財政状態(第3四半期末)
- 総資産 14,466百万円
- 負債 2,103百万円
- 純資産 12,362百万円
有利子負債ゼロ。
しかしNC比率が0.86と高くない理由は、
- 商品在庫の増加
- 投資有価証券の増加
- 現預金の減少
つまり、
資産はあるが、現金化しにくい構成比率
になっている点。
在庫と固定資産に資金が滞留しているため、
「理論上の安全性」は高いが、
「瞬間的な現金余力」はそこまで厚くない。
無借金=超余裕
ではない。
⑤ 市場はなぜこの会社を評価していないのか
理由は明確。
- 成長ストーリーがない
- 利益率が低い
- セクターとして成熟・競争激化
- IRで派手な材料が出ない
市場は
「伸びる会社」に資金を集める。
愛眼は
「残る会社」だ。
評価軸が違う。
割安に見えても資金が来ないのは、
構造的な問題。
🏁 最終整理:この銘柄との正しい付き合い方
本銘柄は、
- 短期値幅を狙う銘柄ではない
- 爆発的成長を期待する株でもない
“潰れにくい小売”を前提に、安い時に拾う株。
NC比率0.86が示しているのは、
「超優良財務」ではなく、
「地味に耐える財務」。
無借金でも
高NC銘柄とは性質が違う。
ここを理解できるなら、
判断はシンプルになる。
🎯 行動メモ(自分用)
観測ライン:200円台
主力ライン:175円割れ
想定外時:利益率が再度赤字転落した場合は再検証
結論。
愛眼は
爆発はしないが、崩れにくい。
NC比率が思ったより高くない理由は、
「借金がない」ことと
「キャッシュが積み上がる」ことは
別物だからだ。
