マーケット分析

日経平均5.6万円の違和感と 裁定買い残10億株が示す「選挙相場」の正体

日経平均が一時56,000円台に乗せ、市場には楽観ムードが漂っている📈✨

選挙期待、政策相場、日本株再評価――
聞こえてくるストーリーはどれも前向きだ。

だが、相場は物語ではなく構造で動く。

価格水準の妥当性、上昇のエンジン、崩れる時の順番。
それらを無視して「雰囲気」だけで語ると、相場は必ず牙をむく🦷

そこで今回は、JPXが公表する
「プログラム売買・裁定取引」データを用い、
この上昇局面がどんな足腰で成り立っているのかを冷静に分解する🧠🔍

裁定取引 | プログラム売買・裁定取引 | 日本取引所グループ


📌 裁定買い残とは何か?──需給の“歪み温度計”

裁定買いとは、
先物価格が現物価格より高いときに

👉 先物を売り
👉 現物を買う

このセットを同時に行う取引(アービトラージ)だ🤖

理論上は
・相場の上下に左右されにくい
・価格差(ベーシス)が縮まれば利益が出る

極めて機械的で、感情の入り込む余地はほぼない。

重要なのはここ👇
📌 裁定取引は「相場を上げたい」という意思で行われていない

あくまで
「価格差があるから反応しているだけ」

この無意志性=自動取引こそが、
相場が崩れる局面で一気に牙をむく⚠️


🤖 なぜ裁定取引はプログラムで行われるのか

先物と現物の価格差は、
人間が考えている間に消えるレベルで発生・解消される。

だから

  • ヘッジファンド
  • 証券会社
  • アルゴリズム業者※

が、ミリ秒単位で
先物売り × 現物買い
を自動執行している⚡

つまり裁定買い残とは、
👉 機械がどれだけ市場に張り付いているか
👉 先物主導の歪みがどれだけ蓄積しているか

この2つを同時に示す数字だ📊

※アルゴリズム業者による「高速取引」については、以下の本が参考になる。


📊 直近の裁定取引データが示すもの(2026年2月初旬)

ここで、実際のJPXデータを見てみよう👇

現物売付け買付裁定売り裁定買い
2/213,501050,640945,401
2/327,15214,50644,352842,223
2/49,63521,26950,620888,782
2/51,24646452,765902,580
2/61,7075,94064,936983,340
2/73,63973562,7971,023,830

この表は、かなり雄弁だ🗣️

・裁定買い残は
 👉 9.4億株 → 10.2億株へ明確に増加

・一方で現物買付は
 👉 方向感も継続性も乏しい

ここから見えるのは、
📌 指数を押し上げている主役が「現物の確信買い」ではない
📌 先物主導の歪みに、裁定が機械的に反応している構図

つまり
相場のアクセルは人ではなく、仕組みが踏んでいる🧊


📉 2025年との比較で見える「既視感」

この構造は初めてではない。
2025年にも、裁定買い残が膨らんだ局面が何度かあった📆

例えば2025年夏👇

・6月後半〜7月
 裁定買い残:70万〜80万千株台
・8月末
 👉 93万千株超(9.3億株)まで急増

この時も
・先物主導
・現物の追随は限定的

という、今とよく似た景色が広がっていた。

重要なのはここだ👇
📌 裁定買い残が多い=即暴落ではなかった

実際、
・ベーシスが維持され
・金利が安定し
・外部ショックがなかった

局面では、
裁定を抱えたまま上昇が続いたケースもある📈


⚠️ それでも「10億株超」が警戒される理由

よく言われる
「裁定買い残10億株は危険水域」

これは
魔法の数字でも
即アウトのラインでもない🙅‍♂️

ただし──

・価格を支えているのが
 👉 先物主導+機械的ポジション
・そのポジションは
 👉 金利・為替・イベントで一斉に縮む

この2点が重なると、
📌 下落の“深さ”より“速さ”が問題になる

壊れるときは
「じわじわ」ではなく
**「一段飛ばし」**になりやすい😬


🧊 「現物買いが少ない=実需ゼロ」は短絡

一点、冷静さも必要だ🧠

JPX統計に出てくる「現物買付」は

  • ETF経由の買い
  • 年金・信託の定期リバランス

これらを完全には捉えきれない。

つまり
「数字に出ていない=存在しない」
ではない⚠️

需給を見るなら

  • 裁定取引
  • ETF残高
  • TOPIX連動資金
  • 先物と現物の乖離

複数データの重ね見が前提になる🔍


📉 裁定解消=即クラッシュ、ではない

もう一つ誤解されやすい点。

裁定解消とは
・ベーシスの縮小
・ポジションの段階的解消

というプロセスだ。

📌 必ずしも一瞬で暴落するわけではない

だが

  • 選挙イベント通過
  • 外部ショック
  • 金利・為替の急変

このいずれかが引き金になると、
📌 解消スピードが一気に跳ね上がる

ここが怖いところだ😨


🧭 今の相場をどう扱うべきか

2026年2月時点の環境は

  • 日米金利:やや低下
  • 原油:軟調
  • VIX:20前後と警戒水準

つまり
📌 楽観一色でも、即悲観でもない

こういう相場でやるべきことは明確👇

✨ 高値を追わない
✨ 崩れた時の値幅と速度を想定する
✨ 指値と現金比率を「待つ力」として使う


🦾 結論:これは“危険相場”ではなく“壊れやすい相場”

今の上昇を否定する必要はない。
だが、支えているのは

人の確信ではなく
仕組みの反射神経だ🤖

だからこそ

  • 浮かれない
  • 断定しない
  • 構造が崩れた瞬間に動ける準備をする

これが一番、プロに近い立ち位置になる😎

相場はいつも
「上がるか」より
「どう壊れるか」で差がつく。

今は、その設計図を
静かに眺める局面だ📐📊