企業分析

企業分析リポート:アコム

日本の金利も2%台に乗り、銀行銘柄を物色していたが高値圏で推移しているのが多く手が届かない。

そこで、アイフル、アコムなどの消費者金融関連銘柄を分析することにした。

アイフルは既に分析済みなので、今日はアコムで勝負!

 

目次

企業分析リポート:

MUFGグループ傘下の消費者向け無担保ローン最大手。

1936年の創業以来、24時間ATMやWeb完結ローンなど先進的なサービスを展開してきた。資本の4割を三菱UFJが持つ一方で、経営の独立性は維持。

タイを中心にアジア事業を積極拡大し、信用保証事業も安定収益源として成長

コロナ禍で落ち込んだ債権残高は回復し、2024年3月期にはローン・カード残高が1兆円を突破した。

 

会社名とその由来

アコムの社名の由来は、 「Affection(愛情)・Confidence(信頼)・Moderation(節度)」 の頭文字を組み合わせた造語だと言われているよ。

  • Affection(愛情)
  • Confidence(信頼)
  • Moderation(節度)

この3つの価値観を企業理念として掲げ、それを英語の頭文字で表現したのが ACOM(アコム)

「人に優しく、信頼され、節度ある金融サービスを提供する」という意味が込められているんだ。

短いけれど、企業の姿勢がよく表れた名前だと思うよ。

 

📘 沿革

1930〜1960年代:創業期

  • 1936年:創業者・木下政雄氏が神戸で「丸糸呉服店」を開業
  • 1960年:呉服店の一角で「勤め人信用貸し」を開始 → ここから消費者金融事業がスタート

1970〜1980年代:事業拡大・ブランド確立

  • 1978年:株式会社アコムに商号変更
  • 1980年代:業界初の 24時間ATM を導入
  • 与信・審査システムを強化し、無担保ローン市場で存在感を高める

1990年代:全国展開・上場

  • 全国に店舗・ATM網を拡大
  • 1993年:株式上場
  • 1990年代後半自動契約機の普及で急成長 → 消費者金融大手としての地位を確立

2000年代:MUFGグループ入り

  • 2004年:三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が出資
  • MUFGが約40%の株式を保有 → グループ傘下に入りつつも、経営の独立性は維持

2010年代:保証事業・海外展開へ

  • 信用保証事業を強化(銀行カードローン保証など)
  • タイを中心にアジアでローン事業を展開
  • 海外事業が収益の柱に育ち始める

2020年代:再成長フェーズ

  • コロナ禍で債権残高が一時減少
  • 2024年3月期にローン・カード残高1兆円を突破(コロナ前を回復)
  • 保証事業・海外事業が安定成長
  • MUFGグループの信用力を背景に事業基盤が強化

🎯 アコムは、 「呉服店 → 信用貸し → 消費者金融最大手 → MUFG傘下 → 海外展開」 という独自の進化を遂げてきた企業。

今は、 消費者金融 × 保証 × 海外 の3本柱で安定成長している。

🔥 アコムがUFJに身売りした理由

① グレーゾーン金利問題で経営が急激に悪化した

2006〜2009年にかけて

  • 過払い金返還請求が急増
  • 数千億円規模の返還負担
  • 利益が激減
  • 自己資本が急速に減少

アコムは「単独では耐えられない」レベルのダメージを受けた。

② 資金調達が難しくなった(信用力の低下)

過払い金問題で財務が悪化すると、

  • 社債が発行できない
  • 銀行からの借入条件が悪化
  • 市場からの資金調達が困難

金融業は“お金を借りて貸す”ビジネスだから、 資金調達が詰まる=事業が止まる

そこで、巨大銀行グループの支援が必要になった。

③ UFJ(現MUFG)が救済に入った

UFJ銀行(当時)は

  • アコムの保証事業を強化したい
  • 消費者金融ノウハウを取り込みたい
  • 個人向け金融の強化を狙っていた

という戦略があった。

アコムにとっては 「資金力のある銀行の傘下に入ることで生き残れる」 というメリットが大きかった。

④ 結果:MUFGが約40%を保有し、実質的な筆頭株主に

ただし、

  • 経営は創業家(木下家)が継続
  • MUFGは資本面で支える という“資本と経営の分離”が成立。

アコムがUFJの傘下に入った背景には、過払い金問題による深刻な経営悪化があった。

過払い金返還が急増したことで財務が急速に悪化し、資金調達も難しくなり、単独での事業継続が危ぶまれる状況に追い込まれた。こうした中でUFJが資本参加し、実質的な救済が行われたことでアコムは経営危機を乗り越えることができた。

その後はMUFGグループの一員として財務基盤を強化し、再び成長軌道へと戻っていった。

つまり、アコムのMUFG入りは“身売り”ではなく、経営危機を乗り越えるための「救済と提携」であり、UFJが資本を提供することでアコムは生き残り、再成長の道を切り開いたという構図だ。

 

経営陣

アコムの経営体制は、創業家による強いリーダーシップと、MUFG(旧UFJ)からの実務エースの参画が組み合わさった独自の構造になっている。

まず、トップには創業一族が立ち、

  • 会長:木下盛好(創業家)
  • 社長:木下政孝(創業家・会長の親族)

という“創業家主導”の体制が続いている。 創業家が経営の中心にいることで、長期的な方向性がぶれず、意思決定のスピードも速い。

一方で、アコムはMUFGグループの一員でもあり、役員には三菱UFJ銀行出身の幹部が加わっている。 特に、

  • 取締役:山本忠司(MUFG出身)

は、融資企画・経営企画・デジタル戦略など銀行の中枢を担ってきた人物で、MUFGとの連携強化やデジタル戦略の推進を担う重要な存在だ。

このように、アコムの経営陣は 「創業家のリーダーシップ × MUFGの金融専門性」 という二つの軸で構成されており、再建後の安定成長を支えるバランスの取れた布陣となっている。

 

事業内容

🔹 ① ローン・クレジットカード事業(53.33%)

売上:1,694.64億円(全体の53.33%)

アコムの中核事業。 個人向け無担保ローン・カードローン・クレジットカードなど。

主な内容

  • キャッシング
  • カードローン
  • クレジットカード(Mastercardなど)
  • 自動契約機・ATM

アコムの“本業”であり、売上の半分以上を占める柱。

🔹 ② 信用保証事業(24.02%)

売上:763.32億円(24.02%)

銀行カードローンなどの保証を行う事業。

主な内容

  • 銀行カードローン保証
  • 事業者ローン保証

安定収益源で、MUFGとの連携で伸びている。

🔹 ③ 海外金融事業(20.60%)

売上:654.49億円(20.60%)

主にタイの EASY BUY(イージーバイ)が中心。

主な内容

  • タイ:消費者金融(EASY BUY)
  • フィリピン:ローン事業
  • アジアでの個人向け金融

高金利市場で利益率が高く、成長エンジン。

🔹 ④ 債権管理回収事業(2.05%)

売上:65.17億円(2.05%)

延滞債権の管理・回収を行う事業。

→ 売上比率は小さいが、グループのリスク管理に重要。

🔹 ⑤ その他(0.07%)

売上:2.37億円(0.07%)

規模は非常に小さい。 主に付帯サービスなど。

📊 売上比率まとめ(2025年3月期)

事業セグメント売上高比率
ローン・クレジットカード1,694.64億円53.33%
信用保証763.32億円24.02%
海外金融654.49億円20.60%
債権管理回収65.17億円2.05%
その他2.37億円0.07%
セグメント間調整-2.59億円-0.08%

出典:検索結果

アコムの事業構造を俯瞰すると、同社は「ローン・カード」「信用保証」「海外金融」という三つの主要事業を中心に、債権管理やその他の補助事業を組み合わせたバランスの良い収益モデルを構築している

。売上の約半分を占めるローン・カード事業が本業として安定した基盤を支え、信用保証事業が安定収益源として全体の約4分の1を担う。

さらに、タイを中心とした海外金融事業が成長エンジンとして存在感を高めており、全体の約2割を占めるまでに拡大している。債権管理やその他の事業は規模こそ小さいものの、リスク管理や補完的役割として機能している。

このように、アコムは本業・保証・海外の三本柱を軸に、安定性と成長性を両立した事業ポートフォリオを形成していると言える。

🚀 アコムの3年後の成長モデル(2028年イメージ)

アコムの3年後は、現在の「3本柱」をさらに強化した “安定 × 成長 × 国際化”モデル に進化している可能性が高い。

🔥 ① 本業(ローン・カード)=安定基盤として再拡大

● 3年後の姿
  • ローン残高はコロナ前を超えてさらにーン残高はコロナ前を超えてさらに増加
  • MUFGとの連携で増加
  • MUFGとの連携で銀行カードローン保証が拡大 銀行カードローン保証が拡大
  • デジタル審査モデルの強化で新- デジタル審査モデルの強化で新規顧客獲得が加速
● 伸びしろ
  • 金利上昇局面で利ざやが改善
  • MUFGの顧客基盤を活用できる
  • デ顧客基盤を活用できる
  • デジタル完結型ローンの普及

→ **ジタル完結型ローンの普及

本業は“安定成長”を続ける領域。本業は“安定成長”を続ける領域。

🔥 ② 信用保証事業=最も安定して伸びるストック型収益

● 3年後の姿
  • MUFGとの保証提携がさらに拡大
  • 地銀・信金との保証契約も増加 地銀・信金との保証契約も増加
  • 保証残高が積み上がり、利益が- 保証残高が積み上がり、利益が安定的に増加
● 伸び安定的に増加
  • 保証はリスクが低くしろ
  • 保証はリスクが低く利益率が高い
  • 銀行側も保証利益率が高い
  • 銀行側も保証を使うメリットが大きい
  • スを使うメリットが大きい
  • ストック型なので積み上がるほど強くなる

→ **3年後のアコムのトック型なので積み上がるほど強くなる

3年後のアコムの“安定収益の柱”になる可能性が高い。

🔥 ③ 海外金融(タイ・フィリピン)=最大の成長エンジン

● 3年後の姿
  • タイ EASY ● 3年後の姿
  • タイ EASY BUY の残高がさらに拡大 BUY の残高がさらに拡大
  • フィリピン事業が本格的に収益- フィリピン事業が本格的に収益化
  • アジアの高金利市場で化
  • アジアの高金利市場で利益率が高い
● 伸びしろ
  • アジアは人口増・中しろ
  • アジアは人口増・中間層増でローン需要が拡大 -間層増でローン需要が拡大
  • 金利が高く、利益率が国内の2〜 金利が高く、利益率が国内の2〜3倍
  • 競合が少なく、アコ3倍
  • 競合が少なく、アコムの審査モデルが強い

海外は“利益成長の主役”。

ムの審査モデルが強い

海外は“利益成長の主役”。

🔥 ④ デジタル・システム投資=効率化と収益タル・システム投資=効率化と収益改善を加速

副社長がシステム本部長を兼務していることからも改善を加速**

副社長がシステ、 アコムはデジタル戦略を最重要テーマに置いている。

● 3年後の姿
  • 審査モデルの高度化
  • オンライン完結率の向上
  • コスト削減で利益率改善

デジタル化は全事業の底上げにつながる。

🔥 ⑤ ガバナンス強化=リスク管理の高度化

  • 社外取締役に消費者保護・法務・会計の専門家
  • MUFG出身者が経営企画・デジタル戦略を担当
  • 創業家トップが意思決定を統一

→ **“攻める前決定を統一

“攻める前に守りを固める”体制が整っているに守りを固める”体制が整っている。

3年後のアコムは、現在よりも売上規模が確実に大きくなり、利益面では海外事業と信用保証事業が成長を強く押し上げる構造へと進化している。

事業ポートフォリオはさらに多角化が進み、ローン・保証・海外の三本柱がよりバランスよく機能するようになるだろう。

また、MUFGとの連携強化によって資金調達力や信用力が高まり、企業としての安定性も増す。

さらに、創業家主導の経営体制により、長期的な戦略の一貫性が保たれ、持続的な成長が期待できる。

総じて、アコムは 「安定 × 成長 × 国際化」 のバランスが取れた企業へと進化していく姿が描ける。

 

📊 日本の消費者金融市場規模

① 業界規模(売上ベース)= 約0.9兆円

業界動向サーチのデータによると、 消費者金融業界の市場規模は約0.9兆円(2022〜2023年)

これは、アコム・アイフル・プロミスなど大手の営業収益を合計した“業界の売上規模”。

② 貸付残高ベース= 約3.0兆円

金融庁の統計では、 2022年度の消費者向け貸付残高は3.0兆円(前年比 +2.3%)

貸付残高は実際に貸し出されているお金の総額で、 市場の“実体規模”を示す指標。

 

日本の消費者金融市場は、2022年度に貸付残高が前年比2.3%増と回復し、コロナ後の個人消費の持ち直しによって新規成約も増加している。

市場全体は縮小傾向ではなく、横ばいから微増の安定成長が続いている状況だ。

また、アコム・アイフル・プロミスの大手3社による寡占化が進んでおり、競争環境はむしろ安定している。

市場規模としては、業界全体の売上が約0.9兆円、貸付残高が約3.0兆円とされ、成熟市場ながらも一定の需要が維持されている。

こうした背景から、消費者金融市場は安定した基盤を持ちながら緩やかな成長を続けていると言える。

貸借対照表

決算年月日2021年3月31日2022年3月31日2023年3月31日2024年3月31日2025年3月31日
現預金等83,32374,242down57,666down73,486up60,268down
その他流動資産1,070,0231,079,757up1,147,825up1,256,704up1,348,507up
有形固定資産13,99812,590down7,556down8,384up7,614down
無形固定資産6,8037,152up7,606up8,985up11,359up
投資等44,96289,555up76,663down69,844down58,661down
総資産1,219,1091,263,296up1,297,316up1,417,403up1,486,409up
流動負債267,955354,431up325,687down358,683up408,523up
固定負債465,469376,984down390,542up430,709up424,324down
資本(純資産)合計485,685531,881up581,087up628,011up653,562up
負債資本合計1,219,1091,263,296up1,297,316up1,417,403up1,486,409up

※単位:百万円

🔹 総資産は5年で約1.22兆 → 1.48兆へ増加(+22%)

  • → 事業規模が着実に拡大している。

🔹 その他流動資産(=貸付金)が大幅増

  • 1,070,023 → 1,348,507 → 貸付残高が増えている=本業が伸びている 消費者金融・保証・海外ローンの拡大が反映。

🔹 有形固定資産は減少傾向

  • 13,998 → 7,614 → 店舗縮小・自動契約機の減少・DX化の影響。

🔹 無形固定資産は増加

  • 6,803 → 11,359 → システム投資・ソフトウェア・のれん(M&A)の増加。

🔹 投資有価証券は減少

  • 44,962 → 58,661(途中で増減) → 投資回収やポートフォリオ調整の可能性。

🔹 負債は増加、純資産も増加

  • 流動負債:267,955 → 408,523
  • 固定負債:465,469 → 424,324
  • 純資産:485,685 → 653,562

借入を増やしながら貸付を伸ばす“金融業らしい拡大”
→ 自己資本も増えており財務は安定。

 

損益計算書

決算年月日2021年3月31日2022年3月31日2023年3月31日2024年3月31日2025年3月31日
売上高266,316262,155down273,793up294,730up317,742up
売上合計266,316262,155down273,793up294,730up317,742up
売上原価7,7206,818down5,672down6,695up7,776up
その他費用収益179,731199,659up213,194up234,943up277,841up
費用等合計187,451206,477up218,866up241,638up285,617up
売上総利益258,596255,337down268,121up288,035up309,966up
税引前当期利益99,29733,726down84,803up86,736up58,641down
当期純利益78,865
(29.6%)
55,678down
(21.2%)down
54,927down
(20.1%)down
53,092down
(18.0%)down
32,125down
(10.1%)down
当期純利益78,86555,678down54,927down53,092down32,125down

※単位:百万円

🔹 売上高は5年で266,316 → 317,742(+19%)

→ 本業・保証・海外が伸びている。

🔹 売上総利益も増加

258,596 → 309,966 → 収益力は維持されている。

🔹 しかし利益は減少

税引前利益 99,297 → 58,641

当期純利益 78,865 → 32,125(利益率 29.6% → 10.1%)

利益率が大きく低下しているのが最大の懸念点。

🔹 利益が落ちた理由(数字から読み取れる)

  • 貸倒関連費用の増加
  • 金利上昇による調達コスト増
  • 海外事業のコスト増
  • 保証損失引当の積み増し
  • デジタル投資の増加

売上は伸びているのに利益が落ちる=コスト構造が重くなっている。

 

キャッシュフロー

決算年月日2021年3月31日2022年3月31日2023年3月31日2024年3月31日2025年3月31日
営業活動によるキャッシュフロー113,17946,090down-1,319down-36,759down877up
投資活動によるキャッシュフロー-4,566-4,032up-2,692up-6,178down-6,478down
財務活動によるキャッシュフロー-108,786-50,162up-12,933up57,163up-6,410down
現預金等の換算差額-138113up368up7down269up
現預金等純増減額-311-7,991down-16,576down14,233up-11,742down

※単位:百万円

🔹 営業CFが大幅悪化

113,179 → 877 途中ではマイナスも発生。

貸付金の増加が原因(金融業では正常) 貸付を増やすと営業CFはマイナスになる。

🔹 投資CFは安定してマイナス

-4,566 → -6,478 → システム投資・海外投資・M&Aなど。

🔹 財務CFは大きく上下

-108,786 → -6,410 2024年だけ大きくプラス(57,163)

借入と返済を調整しながら資金繰りを維持している。

🔹 現金残高は増減を繰り返す

→ 成長投資と貸付拡大のため、現金は一定の範囲で動く。

 

アコムの財務3表を総合的に見ると、同社は現在「売上成長・利益圧迫・拡大投資」が同時に進む過渡期にあることがわかる。

売上は貸付残高の増加、信用保証事業の拡大、海外事業の成長によって着実に伸びており、総資産も5年間で22%増えるなど事業規模は拡大している。

一方で、利益は貸倒関連費用の増加、調達コストの上昇、デジタル投資や海外展開に伴うコスト負担によって減少傾向にある。

営業キャッシュフローは貸付増加の影響で悪化しているが、金融業では成長局面でよく見られる動きであり、異常ではない

純資産は増加しており、財務基盤はむしろ強化されている。

総じて、アコムは「成長のためにコストを先行投資している段階」にあり、今後利益が回復するかどうかは、貸倒率の改善、調達コストの安定、海外事業の収益化、そして信用保証事業の積み上がりにかかっている。

これらが進めば、現在の投資負担が将来の収益成長につながる可能性が高い。

まとめ

アコムは、創業家による一貫したリーダーシップと、MUFGグループの信用力・金融ノウハウを組み合わせた独自の経営体制を強みに、再成長フェーズへと向かっている企業だ。

事業構造は「ローン・保証・海外」の三本柱がバランスよく機能し、成熟市場でありながらも安定した成長を実現している。

財務面では、貸付残高の増加や保証事業の拡大によって売上は着実に伸びている一方、貸倒費用や調達コスト、デジタル投資などの負担によって利益は圧迫されている。

しかし、これらは将来の成長に向けた先行投資の側面が強く、総資産や純資産の増加からも、企業としての基盤はむしろ強化されていることが読み取れる。

今後のアコムは、海外事業の収益化、保証事業の積み上がり、デジタル化による効率改善が進むことで、利益率の回復と事業規模の拡大が期待される。

市場環境も横ばい〜微増の安定成長が続いており、大手3社による寡占化が進む中で、アコムのポジションはより強固なものになりつつある。

総じて、アコムは「安定 × 成長 × 国際化」を兼ね備えた企業へと進化していく可能性が高く、長期的な視点で注目に値する銘柄だと考える。

✏️ 追記:来年の新NISA枠を使って、450円で買い指値を入れる予定。