サンエー化研(4234)は「財務健全+割安」だが、利益水準はまだ低く改善途上。
自己資本比率53%台、ネットキャッシュ率+40%前後で安全性は高い。
PERは11倍台、PBR0.35倍と割安感が強く、配当利回りは2.2%程度。
2026年予想では黒字大幅拡大が見込まれ、再評価余地がある。
- PER:11.5倍(予想ベース)
- PBR:0.35〜0.38倍 → 純資産に対して大幅割安
- 配当利回り:2.16〜2.23%(1株配当18円)
- 時価総額:約91億円
※2025年12月2日850円で仕込み。会社四季報オンラインではネットキャッシュ率1以上あり、ストップ高、上方修正、ニュース材料の保護フィルムで収益銘柄に入れた。
目次
企業分析リポート:サンエー化研
独立系のプラスチック複合加工メーカーとして、ラミネートやフィルム多層押し出し技術を基盤に軽包装・産業資材・機能性材料の3分野を展開。
食品包材や液晶保護フィルムなどニッチ市場で強みを持ち、最新鋭工場の新設やM&Aを通じて事業基盤を拡大してきた。
会社名とその由来
サンエー化研の社名は、旧「サンエー化学工業」と「化研工業」が合併した際に両社の名前を合わせて作られたもの。
さらに “SUN=太陽” をイメージして付けられた
- 「サンエー」:SUN-A(サン=太陽)をイメージ。明るさ・成長・発展を象徴🌞
- 「化研」:化学研究を意味し、技術力・研究開発姿勢を表す🔬
- 両社の強みを統合し、「太陽のように輝く化学研究企業」という意味合いを込めている。
沿革
🏭 創業期(1942〜1960年代)
- 1942年:静岡加工紙共販株式会社設立、防湿・防水紙「ターポリン紙」販売開始📦
- 1945年:商号を静岡加工紙工業株式会社に変更
- 1951年:本社を中央区日本橋本町に移転🏢
- 1962年:化研工業株式会社設立
- 1964年:商号をサンエー化学工業株式会社に変更
- 1966年:本社を港区芝公園に移転
👉 創業期は「包装紙・防水紙」からスタートし、化学工業へと事業を拡大。
📈 成長期(1970〜1980年代)
- 1983年:本社を千代田区神田淡路町に移転
- 1986年:オランダDSM社に「PAC」技術供与🌍
👉 技術供与で国際展開を進め、グローバル化の足掛かりを築いた。
🌱 環境対応期(2000年代)
- 2006年:ISO14001:2004認証移行 → 環境マネジメント強化🌱
- 本社を東京都中央区日本橋本町へ移転
👉 環境対応を経営に組み込み、持続可能性を重視する姿勢を明確化。
🏆 近年の成果(2020年代)
- 2021年:「圧力スチーム用電子レンジ調理用パウチ・スチーミー」が ワールドスター賞 を受賞🎖️ (世界包装機構WPO主催)
👉 世界的な包装コンテストで評価され、技術力と製品力を国際的に証明。
サンエー化研は「包装紙から始まり、化学・包装資材の総合メーカーへ進化」してきた会社だね。
- 創業期:防水紙でスタート
- 成長期:技術供与で国際展開
- 環境期:ISO認証で持続可能性強化
- 近年:世界的な賞を受賞し、技術力を証明
👉 歴史を通じて「ニッチ市場での技術力+環境対応+国際評価」を積み上げてきたのが強み📈✨
経営陣
👔 サンエー化研の役員一覧(最新)
- 代表取締役社長:櫻田 武志
- 取締役会長:山本 明広
- 取締役:山本 元
- 取締役:有馬 啓介
- 取締役:野口 隆一
- 取締役:宮本 貞彦
- 常勤監査役:佐藤 誠一
- 監査役:井上 眞樹夫
- 監査役:湯口 毅
社長は 櫻田武志氏 がトップで、経営の実務をリード。
会長の 山本明広氏 が全体を統括し、ガバナンスを支える体制。
取締役は5名体制で、事業運営の意思決定を分担。
監査役は3名(うち1名常勤)で、財務・経営監視のチェック機能を強化🛡️。
👉 役員構成を見ると「実務+ガバナンス+監査」のバランスが取れていて、財務健全性を重視する会社らしい体制だね📑✨
📊 大株主構成(最新)
サンエー化研の大株主上位には役員個人も含まれている。
代表取締役会長の山本明広氏(約74,500株)、代表取締役社長の櫻田武志氏(約48,700株)、取締役の芝彦尚氏(約38,300株)、取締役の山本元氏(約33,000株)などが株主名簿に記載されている。
つまり役員自身も株を保有しており、大株主の一部に役員が入っている。
- 新生紙パルプ商事:16.0%
- 自己株式:14.9%
- 昭和パックス:11.0%
- 自社社員持株会:3.3%
- 信託銀行(日本マスタートラスト、みずほなど):約5%
- 東洋化学:1.8%
- 役員個人株主:
- 山本明広(会長):74,500株
- 櫻田武志(社長):48,700株
- 芝彦尚(取締役):38,300株
- 山本元(取締役):33,000株
役員が株を持っているのは「経営と株主利益を一致させる」意味で重要。
特に会長・社長が数万株単位で保有しているのは、会社の成長に対するコミットメントの表れ。
🎯 経営方針
- 「軽包装・産業資材・機能性材料」の3事業を柱に展開
- 機能性材料(粘着加工品など)を成長ドライバーに位置づけ、収益改善を目指す。
- 財務健全性を維持しつつ、黒字転換と利益率改善を最優先課題に設定。
🌟 事業構成(2025年3月期)
- 軽包装材料:売上構成比 43%
- 産業資材:35%
- 機能性材料(液晶関連など):21%
- その他:2% → 食品・医薬品包材や産業資材、液晶関連フィルムなど幅広い分野で事業展開。
🏭 業界内ポジション
- 化学業界の中では 小型株(時価総額100億円未満)。
- 比較対象:恵和、大倉工業、積水樹脂
- 売上規模は約300億円で、ニッチ分野のプラスチック複合加工メーカー。
🌟 伸びしろ(強み)
- 事業内容:産業資材・軽包装・機能性材料(液晶関連など)
- 財務体質:自己資本比率50%超、有利子負債倍率0.2台 → 業界平均より健全
- 製品力:食品・医薬品包材、ラミネート製品、剥離紙、粘着加工品など幅広い
- 黒字回復基調:2026年3月期予想で営業利益7.5億円、純利益6.8億円と大幅改善
📊 最新業績から見る市場規模
- 2025年3月期 売上高:294億3,000万円
- 2026年3月期予想 売上高:306億円
- 時価総額:約88〜91億円 → 売上規模は300億円前後で、化学業界の中では小型株に分類される。
🏭 業界全体との比較
- 化学業界全体市場規模:約50兆円(日本国内)
- サンエー化研のシェア:300億円 ÷ 50兆円 ≈ 0.06%未満 → 全国的には小規模だが、軽包装・産業資材・機能性材料のニッチ分野で安定した需要を持つ。
🧮 貸借対照表
| 決算年月日 | 2021年3月31日 | 2022年3月31日 | 2023年3月31日 | 2024年3月31日 | 2025年3月31日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 現預金等 | 7,147 | 7,296 | 6,263 | 7,318 | 6,381 |
| その他流動資産 | 15,273 | 15,274 | 16,146 | 15,633 | 16,179 |
| 有形固定資産 | 7,325 | 7,060 | 6,836 | 6,724 | 7,063 |
| 無形固定資産 | 55 | 47 | 760 | 88 | 72 |
| 投資等 | 6,188 | 6,269 | 5,607 | 7,679 | 8,116 |
| 総資産 | 35,989 | 35,947 | 35,611 | 37,441 | 37,810 |
| 流動負債 | 15,821 | 14,585 | 15,164 | 16,136 | 16,625 |
| 固定負債 | 1,414 | 1,393 | 919 | 685 | 1,087 |
| 資本(純資産)合計 | 18,754 | 19,969 | 19,528 | 20,620 | 20,098 |
| 負債資本合計 | 35,989 | 35,947 | 35,611 | 37,441 | 37,810 |
※単位:百万円
📊 資産の動き
- 現預金等:7,147 → 6,381(増減を繰り返しつつ横ばい)💰
- その他流動資産:15,273 → 16,179(微増)📈
- 有形固定資産:7,325 → 7,063(やや減少傾向、設備投資抑制)🏗️
- 無形固定資産:55 → 72(2023年に一時的に760まで増加、M&Aの影響)🔬
- 投資等:6,188 → 8,116(増加、金融資産や関連会社投資拡大)📈
- 総資産:35,989 → 37,810(着実に増加)🚀
🏦 負債の動き
- 流動負債:15,821 → 16,625(増加傾向、短期債務や買掛金増)⚠️
- 固定負債:1,414 → 1,087(減少、長期借入金圧縮)🛡️
- 負債合計:17,235 → 17,712(ほぼ横ばい)
📈 純資産の動き
- 純資産合計:18,754 → 20,098(増加後やや減少)
- 自己資本比率:2025年時点で 約53% → 安定水準🛡️
🎯 公ちゃんコメント
- 総資産は増えているが、現金は横ばいで流動負債が3年連続で増えている点は要注意⚠️
- 有形固定資産は減少傾向で、設備投資は抑制気味。代わりに投資資産が増えているのが特徴。
- 無形資産の急増(2023年760)はM&Aの影響で、その後減少しているのは償却や整理の結果。
- 財務体質は自己資本比率53%と健全で、資産株としての安心感は十分。
👉 総資産は増加、負債は横ばい、純資産は安定。財務健全性は維持されているが、現金横ばいと流動負債増加が課題📑✨
損益計算書
| 決算年月日 | 2021年3月31日 | 2022年3月31日 | 2023年3月31日 | 2024年3月31日 | 2025年3月31日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 29,986 | 28,674 | 27,870 | 27,521 | 29,430 |
| 売上合計 | 29,986 | 28,674 | 27,870 | 27,521 | 29,430 |
| 売上原価 | 26,275 | 24,770 | 25,288 | 24,657 | 26,073 |
| その他費用収益 | 2,610 | 2,389 | 2,781 | 2,516 | 3,120 |
| 費用等合計 | 28,885 | 27,158 | 28,069 | 27,173 | 29,193 |
| 売上総利益 | 3,711 | 3,904 | 2,583 | 2,865 | 3,358 |
| 税引前当期利益 | 1,312 | 1,577 | -298 | 1,000 | 416 |
| 当期純利益 | 1,101 (3.7%) | 1,516 (5.3%) | -198 (-0.7%) | 348 (1.3%) | 237 (0.8%) |
| 当期純利益 | 1,101 | 1,516 | -198 | 348 | 237 |
※単位:百万円
📊 売上・利益の推移
- 売上高
- 2021年:29,986
- 2022年:28,674(減少)
- 2023年:27,870(減少)
- 2024年:27,521(減少)
- 2025年:29,430(回復📈) 👉 3年連続減少後、2025年に回復。
- 売上総利益
- 2021年:3,711
- 2022年:3,904(増加)
- 2023年:2,583(急減⚠️)
- 2024年:2,865(やや回復)
- 2025年:3,358(さらに回復) 👉 2023年の急落が目立つが、2025年には持ち直し。
- 税引前利益
- 2021年:1,312
- 2022年:1,577(増加)
- 2023年:▲298(赤字転落⚠️)
- 2024年:1,000(黒字回復)
- 2025年:416(減益) 👉 利益は安定せず、2023年赤字→2024年黒字→2025年減益。
- 純利益
- 2021年:1,101(利益率3.7%)
- 2022年:1,516(利益率5.3%、ピーク)
- 2023年:▲198(赤字、▲0.7%)
- 2024年:348(利益率1.3%)
- 2025年:237(利益率0.8%) 👉 2022年がピーク、その後は赤字→低水準の黒字。
🧮 利益率の流れ
- 2021年:3.7%
- 2022年:5.3%(最高水準)
- 2023年:▲0.7%(赤字)
- 2024年:1.3%
- 2025年:0.8%
👉 利益率は不安定で、直近は低水準。
🎯 公ちゃんコメント
- 売上は回復基調にあるけど、利益はまだ安定してない⚠️
- 2022年の高利益率から2023年に赤字転落、その後黒字回復したが水準は低い。
- 財務は健全だから倒れる心配はないけど、利益率改善が課題。
- 資産株としては「売上回復+利益率改善余地あり」で長期保有に向いてるタイプ。
👉 売上は回復、利益は不安定。利益率改善が今後のテーマ📑✨
キャッシュフロー
| 決算年月日 | 2021年3月31日 | 2022年3月31日 | 2023年3月31日 | 2024年3月31日 | 2025年3月31日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 2,041 | 1,237 | -468 | 1,268 | -319 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -584 | -659 | -204 | 631 | -1,111 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -678 | -335 | -374 | -821 | 514 |
| 現預金等の換算差額 | 13 | 15 | 8 | 8 | 4 |
| 現預金等純増減額 | 792 | 258 | -1,037 | 1,086 | -912 |
※単位:百万円
📊 営業活動によるキャッシュフロー
- 2021年:2,041(好調)
- 2022年:1,237(減少)
- 2023年:▲468(赤字転落⚠️)
- 2024年:1,268(黒字回復)
- 2025年:▲319(再び赤字)
👉 本業の稼ぐ力が安定せず、年度ごとの振れ幅が大きい。
💸 投資活動によるキャッシュフロー
- 2021年:▲584
- 2022年:▲659(投資拡大)
- 2023年:▲204(縮小)
- 2024年:+631(投資回収期📈)
- 2025年:▲1,111(再び大きな投資)
👉 設備投資やM&Aの影響で変動が大きい。2025年は再び積極投資。
🏦 財務活動によるキャッシュフロー
- 2021年:▲678(返済中心)
- 2022年:▲335
- 2023年:▲374
- 2024年:▲821(返済強化)
- 2025年:+514(資金調達に転じる)
👉 2025年は投資資金確保のため調達に動いた可能性。
💰 現金増減
- 2021年:+792
- 2022年:+258
- 2023年:▲1,037(大幅減少⚠️)
- 2024年:+1,086(大幅増加)
- 2025年:▲912(再び減少)
👉 現金残高は増減を繰り返し、安定性に欠ける。
🎯 公ちゃんコメント
- 営業CFが安定しないのが最大の課題⚠️
- 投資CFは2024年に回収期を迎えたが、2025年に再び大きな投資を実施。
- 財務CFは返済中心だったが、2025年に資金調達へ転じている。
- 現金残高は増減を繰り返すが、自己資本比率が高いため倒れる心配は少ない🛡️。
👉 営業CFの不安定さ+投資と資金調達の振れ幅が課題📑✨
💡 まとめ
👉 サンエー化研は財務健全性と割安感が際立つ資産株だが、利益水準はまだ低く改善途上。2026年予想で黒字拡大が見込まれ、再評価余地は十分。
投資戦略としては段階的な買い下がりで安全性を確保しつつ、長期的な利益率改善を待つスタンスが有効。
📊 投資戦略の整理
- 仕込み:850円で初回購入
- 追加指値:800円で2本目、さらに750円・700円にも指値を設定 👉 段階的に買い下がることで平均取得単価を下げ、リスクを分散。
🏦 財務・株価指標
- 自己資本比率:53%台 → 財務健全🛡️
- ネットキャッシュ率:+40%前後 → 安全性高い
- PER:11倍台 → 割安水準
- PBR:0.35倍 → 純資産に対して大幅割安
- 配当利回り:2.2%程度 → 安定配当
📈 業績の流れ
- 売上は回復基調(2025年:294億円 → 2026年予想:306億円)
- 利益は不安定だが、2026年予想で営業利益7.5億円、純利益6.8億円と大幅改善見込み🚀 👉 利益率改善が今後のテーマ。
🎯 公ちゃんコメント
- 財務は健全で倒れる心配はない。
- 割安株としての魅力は強く、黒字拡大が見込まれる2026年に再評価余地あり。
- 段階的な買い下がり戦略は「安全性+リターン期待」を両立する合理的なアプローチ。
財務健全+割安+黒字拡大期待。指値を分散して安全に拾い、利益率改善を待つ長期戦。
