アメリカ第3の都市、シカゴは2025年までに1ビリオンドル(約1,400億円)を超える予算赤字に直面しており、この財政危機を乗り切るため、採用の凍結や出張・残業費の制限など、厳しいコスト削減策を実施します。
シカゴ市長のブランドン・ジョンソン氏は、進行中の財政問題に取り組みつつ、次期予算計画を進めています。
シカゴ、1ビリオンドル(約1,400億円)赤字で採用凍結と支出制限へ
1. シカゴの財政危機の現状
シカゴ市は、2024年から2025年にかけて1ビリオンドル(約1,400億円)を超える予算赤字に直面しており、
その深刻さが浮き彫りとなっています。
2024年には推定2億2,290万ドルの赤字が見込まれ、2025年にはさらに9億8,240万ドルに拡大する見通しです。
このため、シカゴは緊急のコスト削減策を打ち出し、赤字解消に向けた対策を講じています。
2. 採用凍結と支出削減策
2024年9月より、シカゴ市は新規採用の凍結や、出張および残業に関連する非必須の支出を制限することを決定しました。
ただし、この制限は治安維持のための支出には影響を与えません。
これらの措置について、シカゴ市予算局長のアネット・グズマン氏は「財政的な不確実性の中で、責任ある財政管理に取り組むための措置」と説明しています。
3. 財政赤字の原因と影響
シカゴの財政赤字は、以下の要因が主な原因とされています:
- 州からの税収減:シカゴ市に支払われる「個人財産代替税」が減少していること。
- 年金負担の増加:特に市職員の退職年金に対する拠出金が増加している点。
- 人件費や契約コストの上昇:来年度には、これらのコストがさらに増加する見込みです。
これらの要因が重なり、シカゴ市は厳しい財政状況に直面しています。
4. 市民への影響と今後の展望
ジョンソン市長は、財政問題に対応しつつ、彼の進める社会・経済政策の実現に向けた予算計画を進めています。
特に、2025年の大幅な財政赤字をどのように解消するかが注目されています。
シカゴ市議会は、2024年末までにジョンソン市長の予算提案に対する投票を行う予定です。
しかし、コスト削減の影響で、市の重要なサービスの一部が制約される可能性もあり、市民生活への影響が懸念されます。
市民の生活に影響があると、もっと税金が安くて住みやすい地域に人が移動します。
その一例となるのがフロリダ州です。
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5. まとめ
シカゴ市は、2025年までに1ビリオンドルを超える財政赤字に直面しており、採用凍結や支出削減などの厳しい措置を講じています。
この財政問題は、人件費の増加や年金負担の増大、さらには税収減少が主要な要因です。
市民生活への影響を最小限に抑えつつ、財政健全化をどのように進めていくか、今後のジョンソン市長の舵取りが注目されます。
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