2024年Q2のゴールド市場は複雑な動向を見せました。ここでは、その詳細をWorld Gold Councilが発行するリポートをもとに解説します。
2024年Q2ゴールド需要トレンド
ゴールド需要の概要
2024年第2四半期のゴールド需要は強く、記録的な価格が続きました。
主な要因は、店頭取引(OTC)の投資が強く、中央銀行による買いが続き、西側諸国からのETFの流入が後半に増加したことです。
しかし、高価格の影響でジュエリーの消費は減少しました。
主なハイライト
中央銀行ゴールド買い
上半期の合計で483トンに達し、過去最高を記録しました。
第2四半期では前期より減速したものの、長期的な平均を上回りました。
ゴールドはヘッジおよびポートフォリオの分散化の手段として中央銀行に重視されています。
グローバル金ETF
第2四半期にわずかな流出(-7トン)が見られましたが、5月と6月の流入(26トン)が4月の流出(33トン)をほぼ相殺しました。
アジア上場ファンドの保有は増加を続け、欧米の上場ファンドも流入が復活しました。
金地金とコイン投資
年間で5%減少し、261トンに。
アジアでの強い需要が続く一方、欧米市場での利益確定と清算の増加により需要が大幅に減少しました。
ジュエリー需要の減少
グローバルな金ジュエリーの需要は前年比19%減の391トンとなり、中国が最大の減少を記録。
高価格環境と国内経済の低迷が影響しました。
供給の増加
第2四半期の金供給は前年比4%増加し、鉱山生産は2%増加して上半期の記録を更新しました。
リサイクルも金価格の上昇に応じて増加しました。
まとめ
第2四半期のゴールド市場は、中央銀行の買いとETFの回復が主要な動向でしたが、高価格がジュエリー需要を抑制しました。