ゴールド相場の最近の動向について、急落からの回復、FRB(米連邦準備制度理事会)の政策、そして鉱業セクターの見通しについて解説します。
目次
急落からの回復とFRB政策と鉱業セクターの展望
7月17日(水)から8日間のうち1日を除いて7日間が陰線となった。
急落からの回復
木曜日の急落とその影響
そして、ダメ押しに2024年7月25日(木)ゴールド価格は急落しましたが、その後すぐに回復し、週末には$2,380を超え、この価格動向は市場の注目を集めました。
インフレデータの影響
最近発表された※PCE価格指数が年率2.5%と穏やかなインフレを示し、ゴールド価格の支えとなっています。インフレが安定していることは、ゴールドに対する需要を高める要因となります。
※PCE(Personal Consumption Expenditures)価格指数とはアメリカのインフレ指標の一つ。
下値支持線としての$2,350
木曜日の安値$2,350は現在、重要な下値支持線として機能しています。このレベルを下回ることなく維持できるかが、今後の価格動向を占う上で重要なポイントです。
抵抗線としての$2,400
$2,400ドルは、現在の主要な抵抗線として注目されています。このレベルを突破できるかどうかが、今後の価格上昇の鍵となるでしょう。
FRBの政策
現在のFFRとその評価
FRB(Federal Reserve Board)は現在、FFR(Federal Funds Rate)アメリカの短期金利指標を5.50%に設定しています。この金利が成立する市場をフェデラル・ファンド市場と呼び、日本のコール市場に相当します。
9月の予測
FRBが9月にFFRを0.5%引き下げる可能性があり、もしもFRBが9月に金利を大きく下げれば、金の価格が上がる可能性が高いということを示唆しています。
インフレと失業率
インフレが目標に達し、失業率が4%を超えている現状では、FRBの政策変更が期待されています。これらの経済指標は、今後の政策決定に大きな影響を与えるでしょう。
鉱業セクターの展望
FRBの緩和サイクルの影響
FRBの緩和政策により、ジュニアマイニング企業(成長段階にある鉱山開発会社)の株価が上昇し、投資家にとって利益を得るチャンスが増える可能性があります。
つまり、アメリカの中央銀行が経済を刺激する政策をとると、小さな鉱山会社の株価が上がりやすくなり、そこに投資している人にとっては儲けるチャンスが増えるかもしれない、ということです。
M&Aの活発化
大きな鉱山会社同士が合併したり、お互いを買収したりする動きが増えそうです。これは市場全体を活気づけ、新しい投資のチャンスを生み出す可能性があります。
季節的な追い風
鉱業の世界では、夏は通常あまり活発ではありません。しかし、秋になると状況が良くなる傾向があります。これは鉱業関連の会社全体にとって良い影響を与えると期待されています。
まとめ
2024年のゴールド市場と鉱業セクターは、重要な転換期を迎えつつあります。
最近の急落からゴールド価格は回復し、$2,380を超える水準まで戻りました。特に、$2,350が重要な下値支持線として機能し、$2,400が次の抵抗線として注目されています。
FRBが現在の5.50%のFFR(連邦資金利率)を9月に0.5%引き下げる可能性があり、これが実現すればゴールド価格の上昇が期待されます。また、FRBの緩和政策はジュニアマイニング企業の株価上昇を促進し、大手鉱業会社間のM&A(合併・買収)が活発化することで市場全体が活気づくでしょう。
さらに、秋に向けて鉱業セクターが好転する傾向も見込まれています。これらの要因が重なることで、ゴールド投資やゴールド鉱業関連株への投資が注目される可能性が高まっています
参考リンク
FRB(米国の中央銀行制度の最高意思決定機関連邦準備制度理事会)