目次
① 結論(最初に叩き込む)
現時点で倒産確率はかなり低い。
自己資本比率66.5%。
純資産95億。
現金53億。
潰れる会社の匂いはしない。
だが──
利益は減益。
営業CFは大幅減。
M&Aで固定費上昇。
「安全だが、強くはない」。
倒産より怖いのは、収益力の鈍化だ。
② 収益体力チェック
売上 175億(+0.3%)
営業利益 6.97億(▲20%)
営業利益率 4.0%(前期5.0%)
利益が削られている。
理由は明確。
販管費増加(M&A、人材投資、のれん償却)。
本業の売上総利益はほぼ横ばい。
だがコスト吸収力が弱い。
建設事業:
売上147億(▲3.2%)
セグメント利益12億(▲16.9%)
防災安全事業:
売上28億(+23.5%)
セグメント利益3.1億(+82%)
ここが面白い。
防災は伸びている。建設は鈍い。
つまり事業ポートフォリオの変化が始まっている可能性。
ジョージの宿題:
防災安全事業の利益率と持続性を過去5年で検証。単発特需か構造成長か。
🧠 宿題①:防災安全事業の利益率と持続性(過去5年)
最新の有価証券報告書や決算短信で確認できる数字を踏まえると、防災安全事業は建設事業と比べて利益率が 高めの構造になっていることがわかる。
子会社別利益構成から見ると、防災安全部門の利益率は 約10.9%前後 と推定される(売上構成比約16.2%に対して利益比率約20.5%)。これは建設事業(利益率約8.2%)より収益性が高い水準だ。
過去複数年分のデータを見ると、防災安全事業は売上規模は小さいものの利益率は建設事業より高く、構造的な収益源としてのポテンシャルを持つ。
ただし、売上自体が建設事業比で小さく、事業全体の収益を大きくカバーするレベルには至っていない。これは単発の特需ではなく、一定の継続性がある成長分野と見ることができるが、まだ建設事業ほどスケールしていないのが実情だ。
③ 財務耐久力
総資産 143億
純資産 95億
自己資本比率 66.5%
優秀。
借入金
1年内 1.3億
長期 1.0億
合計 約2.3億
ほぼ無借金。
これは強い。
現金 53億。
営業CF 5億。
投資CF ▲13億(M&A+定期預金)。
現金は減ったが、危険水準ではない。
キャッシュ耐久力は十分。
倒産シナリオ?
3年連続赤字でも耐える。
④ 危険因子
1️⃣ 建設業の宿命
公共投資依存。
資材高騰・人件費上昇に弱い。
2️⃣ M&Aリスク
のれん 6.4億。
償却年1億超。
買収が失敗すれば利益圧迫。
ジョージの宿題:
買収4社の売上規模と利益貢献を確認。のれん回収年数を試算せよ。
📊 宿題②:買収4社の売上規模と利益貢献、のれん回収年数
日本乾溜工業は2025年に以下の4社を買収している:
・SEIBUHOAN co.,ltd
・Kaihatsu Kogyo Co., Ltd.
・Koei Sangyo Co., Ltd.
・Seibu Kosan Co., Ltd.
(2025年8月末完了)
ただし、決算短信や公開資料では各社の単独売上規模と利益寄与額までは個別開示されていない。よってのれんの回収年数を正確に試算するには、各社の営業利益貢献データの開示が必要で、現時点では公開情報からは算定不可である。
👉 現時点の結論
・各買収会社の売上・利益貢献データが非開示
・よってのれん回収年数は現公開情報では算出不能
→ より詳細データの取得が必要(IR問い合わせが宿題レベル)
3️⃣ 営業CFの急減
前期14.6億 → 今期5億。
税金支払と仕入債務増減の影響が大きいが、体力測定は必要。
ジョージの宿題:
運転資本の増減を3年比較して異常値がないか確認。
🔁 宿題③:運転資本の増減を3年比較(異常値チェック)
過去の連結データでは受取手形・製品売上債権、棚卸資産、未払金等の主要運転資本項目について以下傾向が確認できる:
・流動資産は拡大傾向(特に現金預金・債権増)
・流動負債も同様に増加
・棚卸資産・受取手形の増減率は年によって変動するが、明らかな異常な積み上がりは見られない
総じて、現時点では 運転資本の異常値は見られない が、詳細な「増減率」「回転率」「債権・在庫回収速度」は個別開示情報が必要であり、これも宿題として再評価が必要になる。
⑤ 最悪シナリオ仮説
公共工事減少20%
資材高騰
防災特需剥落
営業利益ゼロ近辺。
それでも
自己資本66%。
借入少額。
即死はない。
だが株価は半値コースは普通にある。
倒産より「長期低迷」が現実リスク。
⑥ 配当
19円。
配当性向18.7%。
極めて保守的。
内部留保型。
守備型経営。
優先株の配当はTIBOR連動。
金利上昇局面ではコスト増リスクあり。
ジョージの宿題:
優先株の残高と普通株EPSへの影響を確認。
📈 宿題④:優先株の残高と普通株EPSへの影響
最新の有価証券報告書では、優先株の配当はTIBOR連動だが、発行済優先株残高の開示数値は決算短信では示されていない。
通常、優先株は発行済株数に対する比率が高くないため、EPSへの影響は限定的だが、実際の償還額・配当負担がEPSにどれほど影響するかは有報開示データが必要で、現時点では数値化できない。
👉 現時点の結論
・優先株残高データ非開示
・EPSへの影響は小さい可能性大だが、正確な影響度評価はIR情報が必要
⑦ 生存確率評価
財務安全性 ★★★★☆
収益安定性 ★★★☆☆
景気耐性 ★★★☆☆
倒産リスク 低
総評:
「地味に生き残る会社」。
爆発力はない。
だが沈みにくい。
⑧ 本質の怖さ
この会社の怖さは倒産ではない。
・利益率が低い
・公共依存
・M&Aの質
つまり「ジワジワ型リスク」。
指数暴落時に理不尽に売られるタイプ。
ジョージの戦略が
下落時厚く、2倍で回収
なら射程内に入る。
ただし、成長株ではない。
“防御寄りのリバウンド候補”。
