企業サイト分析リポート

企業サイト分析リポート:愛眼(9854)

※本稿は「企業サイト・IR情報・決算短信」をもとに、
事業の耐久性/評価の歪み/市場との向き合い方を整理する。
※事業内容や業績推移の詳細は、別途「企業存続分析リポート」にて扱う。


① この銘柄をどういう前提で扱うべきか

まず最初に整理すべきは、
この銘柄を「どの前提」で見るかだ。

本銘柄は成長株ではない
急拡大や高ROEで評価されるタイプではない。

むしろ、

  • 無借金経営
  • 12,362百万円の純資産
  • 安定的な小売事業

を軸にした耐久型・資産寄りの小売株と捉えるのが自然。

したがって、

株価が動かない=失敗
ではない。

市場の主戦場は「成長ストーリー」であり、
ここは評価軸が違う世界にいる。


② 事業は何によって支えられているか

本銘柄の事業構造は、

  • 店舗販売中心のフロー型小売
  • 補聴器・アフターサービスによる準ストック型収益

の組み合わせ。

特に重要なのは、

  • 補聴器のレンタル・アフターサービス
  • 視力・聴力補正という生活必需性

 

この部分は景気連動性が比較的弱い。

一方で、

  • 眼鏡は買い替え周期型
  • サングラスは季節・気候依存
  • セール依存で粗利が揺れる

という不安定要素も抱える。

つまり、

完全なディフェンシブではないが、崩れにくい生活関連小売

という立ち位置。


③ その収益はどれくらい安定しているか

第3四半期累計で、

  • 売上 11,648百万円(+3.0%)
  • 営業利益 186百万円(黒字転換)

赤字からは脱却。

ただし注目すべきは、

✔ 利益率は依然として低水準
✔ 値引き・販促で利益が圧迫されやすい
✔ 仕入コスト上昇の影響を受けやすい

つまり、

利益は出るが、厚みがない

これがNC比率が伸びにくい最大の理由。

無借金でも、

  • キャッシュが爆発的に積み上がらない
  • 利益率が低い
  • 店舗改装・在庫投資が継続発生

結果として、

現預金が大きく増えない構造になっている。


④ 財務と資産はどこまで耐えられるか

財政状態(第3四半期末)

  • 総資産 14,466百万円
  • 負債 2,103百万円
  • 純資産 12,362百万円

有利子負債ゼロ。

しかしNC比率が0.86と高くない理由は、

  • 商品在庫の増加
  • 投資有価証券の増加
  • 現預金の減少

 

つまり、

資産はあるが、現金化しにくい構成比率

になっている点。

在庫と固定資産に資金が滞留しているため、
「理論上の安全性」は高いが、
「瞬間的な現金余力」はそこまで厚くない。

無借金=超余裕
ではない。


⑤ 市場はなぜこの会社を評価していないのか

理由は明確。

  • 成長ストーリーがない
  • 利益率が低い
  • セクターとして成熟・競争激化
  • IRで派手な材料が出ない

市場は

「伸びる会社」に資金を集める。

愛眼は

「残る会社」だ。

評価軸が違う。

割安に見えても資金が来ないのは、
構造的な問題。


🏁 最終整理:この銘柄との正しい付き合い方

本銘柄は、

  • 短期値幅を狙う銘柄ではない
  • 爆発的成長を期待する株でもない

“潰れにくい小売”を前提に、安い時に拾う株

NC比率0.86が示しているのは、

「超優良財務」ではなく、
「地味に耐える財務」。

無借金でも
高NC銘柄とは性質が違う。

ここを理解できるなら、
判断はシンプルになる。


🎯 行動メモ(自分用)

観測ライン:200円台
主力ライン:175円割れ
想定外時:利益率が再度赤字転落した場合は再検証


結論。

愛眼は
爆発はしないが、崩れにくい。

NC比率が思ったより高くない理由は、

「借金がない」ことと
「キャッシュが積み上がる」ことは
別物だからだ。