目次
〜PBR0.37倍台に沈む「トヨタ系鍛造屋」と、現金が減らない会社の時間価値〜
※本銘柄の資産価値・安全余裕については「HP裏付け捜査リポート」を参照。
📌 このレポートの立ち位置
本レポートは
「EVで全部終わる自動車部品株の話」ではない。
ココがポイント
PBR0.37倍台に放置されている理由を分解
PBR1.0倍(解散価値)に戻る最低条件を定義
業績ジャンプを期待せず、時間と資産で勝つ戦略を取る
👉 清原式・超教科書型銘柄
👉 「待てる人だけが報われる」タイプ
📋 事業概要:どんな会社なの?
中央可鍛工業は1944年創業、自動車用鍛造部品の専業メーカー。
トヨタ系色が強く、事業内容は極めて地味。
主力は👇
- 足回り・駆動系の鍛造部品
- エンジン/シャシー関連
- 量産向け・長期取引型
特徴を一言で👇
「なくならないが、派手に儲からない」
📊 財務分析(過去5年の構造)
PL:稼げているが「構造天井」が低い

売上:5年で約+24%
(2021年29,017 → 2025年35,941)悪くないが、成長企業ではない。
👉 ポイントは「右肩上がりだが、年によって止まる」2024年33,198に一度足踏みしてるので注意⚠️
売上総利益(粗利):2,903 → 4,381
一見すると「お、改善してる?」と思うけど😏
粗利率(売上総利益÷売上高)で見ると別世界。
ざっくり👇
2021:10.0%
2022:8.3%
2023:6.7% ← ここが底
2024:9.4%
2025:12.2% ← 回復
👉 原材料高に直撃 → 価格転嫁が遅れて反撃
典型的な下請け構造🛠️
当期純利益(ここ超重要)🔥
1,113 → 784 → 671 → 813 → 1,835
これ、めちゃくちゃ大事。
👉 2023年が最悪期
👉 そこから2年で約2.7倍
でも勘違いしちゃいけない⚠️
これは
❌ 成長
⭕ 「正常化」
ココがポイント
PLから導ける仮説(ここが思考の肝)🧠✨
この段階で立てるべき仮説は3つ👇
① この会社は👉 売上ではなく「原価」に利益を支配されている
② 利益は👉 自助努力より外部環境(素材・価格交渉)依存
③ 利益回復は👉 一過性になりやすく、持続性は低い
BS:ジワジワ筋トレして、ちゃんと体幹が強くなってる

このBS、ひと言で言うと、派手じゃないけど、崩れにくい。
総資産の動き:拡大は“穏やかだが質がいい”📦
総資産
387億 → 422億(5年で+約9%)
👉 無理な拡張なし。景気循環を考えると優等生。有形固定資産
14,162 → 12,519(減少)
👉 設備を増やしてない=減価償却>投資
👉 過剰投資してないのは超プラス評価⭕投資等
8,275 → 14,171(大幅増)
👉 ここがミソ🧠
👉 余剰資金を金融資産・関連会社に回してる可能性
👉 本業キャッシュが効いてる証拠
現預金:一度減って、しっかり回復💰
現預金
6,471 → 3,477 → 4,699
2023年まで減ったのは
👉 設備整理・投資・配当あたりだろうね
その後
👉 ちゃんと戻してきてる
👉 資金繰りに無理がない安心感😌
清原式的に言うと**「耐えられる現金ポジション」**👍
負債:ここが一番キレイ✨
流動負債
12,161 → 10,922(減)固定負債
**5,695 → 2,217(激減)**🔥
👉 借金を本気で返してる会社
👉 金利上昇局面でこれは神ムーブ🙏
BSを見る限りレバレッジを落として守備力MAX🛡️
純資産:毎年ちゃんと積み上がってる📈
純資産
20,929 → 29,140
5年で👉 +約8,200(約1.4倍)✨
これは
- 黒字継続
- 配当出しても内部留保が増えてる
という意味。
PLで稼いだ利益が、ちゃんとBSに残ってる、ここ大事🧠💡
安全性ざっくり指標(感覚値)📐
自己資本比率
👉 2025年で 約69%
👉 製造業としてはかなり高水準👏ネットD/Eレシオ
👉 ほぼ無借金に近づいてる
👉 金利?何それ?状態😎
CF:本業で稼ぎ、投資して、借金を返す

このCFを一言で言うと、優等生すぎて説法が要らないレベル🙏📘
営業CF:安定感がエグい💰🔥
営業CF:2,533 → 2,462 → 2,142 → 3,615 → 3,616
一時的に落ちたけど👉 2024・2025で一気に回復&高止まり✨
これは
- 本業がちゃんと利益をキャッシュに変えてる
- 売掛・在庫で詰まってない
という意味。
清原式的には**「安心して夜寝られる営業CF」**😴👍
投資CF:一貫してマイナス=健全🏭🔧
投資CF:-1,356 → -1,417 → -1,925 → -2,018 → -2,354
毎年ちゃんとマイナス。
しかも👉 営業CFの範囲内で収まってるのが超重要🧠
- 無理な拡張なし
- 老朽設備の更新+選別投資
攻めすぎず、止まりもしない
このバランス感覚が職人企業っぽい🛠️
財務CF:2022年が転換点⚡
財務CF:+957 → -3,286 → -1,135 → -1,110 → -1,090
2022年に👉 一気にマイナス=借金返済+配当💸
その後も👉 毎年コツコツ返してる
これはBSで見た、固定負債激減と完全に一致🎯
つまり
👉 CFとBSがウソついてない
👉 数字に人格がある会社😎
フリーCF:ちゃんと残るタイプ✨
ざっくりFCF=営業CF − 投資CF
2024年:3,615 − 2,018 ≒ +1,600
2025年:3,616 − 2,354 ≒ +1,260
👉 投資しても現金が残る
👉 配当も返済もできる
これが“強い製造業”のCF💪🏭
現預金の増減:地味だけど理想形📉📈
純増減:+2,157 → -2,104 → -823 → +579 → +216
2022年に減ったのは👉 借金返済を優先したから
その後
👉 大きく増やさず、減らさず
👉 現金を働かせてる💼💴
溜め込み過ぎないのも高評価⭕
🧩 セグメント・構造分析
単一セグメントだが、実態は二層構造
- 量産向け(安定・低マージン)
- 技術・金型・長期取引(参入障壁)
👉 爆発力はないが、仕事が消えにくい
EV化について👇
- エンジン部品は縮小
- ただし足回り・車体部品は残る
👉 「全滅論」は誇張
💡 評価が変わる“最低条件”
ここが曖昧だと、プロは絶対に入らない。
シナリオ①【資本政策の変化】⭐ 最重要
- 自社株買い
- DOE導入
- 配当性向引き上げ
👉 ROE +1〜2pt
👉 PBR是正の即効薬
実現確率:中(外圧次第)
シナリオ②【利益率の微改善】
- 原材料転嫁の定着
- 稼働率改善
👉 営業利益率 +0.3〜0.5pt
👉 評価は限定的
実現確率:高
※ただし株価インパクトは小さい
シナリオ③【EV悲観の剥落】
- EV普及の現実化(減速)
- ICE残存期間の再評価
👉 バリュエーションの正常化
実現確率:中
🎯 結論
①がない限り、大化けはない。
だが①が出た瞬間、PBR1倍は一気に見える。
🆚 類似銘柄との位置づけ
| 項目 | 中央可鍛 | 一般自動車部品 |
|---|---|---|
| 財務 | ◎ | △ |
| 成長 | × | △ |
| 希薄化 | なし | あり得る |
| 清原式適合 | ◎ | △ |
👉 「退屈だが、裏切らない」
📈 最新バリュエーション(2026/01/12想定)
- 株価:692円前後
- 時価総額:111億円
- PER:7.3倍
- PBR:0.37倍
- 配当利回り:2.31%前後
- 信用倍率:低水準(需給は軽い)
👉 需給は非常に良い
👉 上がらない理由は「材料がない」だけ
追記:PL・BS・CFを自分で再確認した上での補足(2026/01)
本レポート作成にあたり、改めて直近5年分のPL・BS・CFを自分で見直した。
PLについて
売上・利益ともに大きな成長はなく、営業利益率は4%前後で明確な天井がある。
一方で赤字化する兆候は見られず、「稼げないが崩れない」構造は一貫している。
BSについて
自己資本比率の高さ、現預金水準、のれんのなさは想定通り。
財務の堅さは数字を見ても誇張ではなく、希薄化や資金繰りリスクを気にする必要はない。
CFについて
営業CFは景気局面に関わらず安定してプラス。
投資CFは抑制的で、結果としてフリーCFは「増えもしないが減りもしない」。
この会社の本質は、ここに尽きる。
改めて数字を見て感じたのは、
**この銘柄は「業績改善を当てに行く株」ではなく、「時間で歪みが是正されるかだけを見る株」**だという点。
この前提が崩れない限り、本レポートの戦略は変わらない。
🚪 出口戦略
前提(2026/01/12)
- 株価:692円
- PBR:0.37倍
- 時価総額:111億円
この水準はもはや
👉 割安ではなく「放置ゾーン」。
🎯 第一出口:PBR 0.7〜0.8倍(現実的・最有力)
株価目安:1,300〜1,500円
トリガー:
市場全体のリスクオン
EV悲観の剥落
同業他社の再評価
👉 企業側が何もしなくても到達可能
👉 ここは「是正相場」の範囲
→ 半分以上は必ず利確対象
🎯 第二出口:PBR 1.0倍(事件発生時のみ)
株価目安:1,900円前後
必須条件:
自社株買いの本格実施
DOE導入 or 明確な還元方針転換
トヨタ系を含むガバナンス圧力の可視化
👉 何も起きなければ到達しない
👉 これは「期待」ではなく「条件付きシナリオ」
→ 材料確認後の初動〜過熱前で全利確
🚫 想定しない出口(重要)
- 業績ジャンプによる評価転換
- EV関連テーマ化
- 成長株としての再評価
👉 この会社にそれを期待するのは間違い
🏁 最終結論
中央可鍛工業は、
- 成長しない
- 派手さもない
- 市場にほぼ忘れられている
だが一方で、
- PBR0.37倍
- ネットキャッシュ
- 希薄化リスクゼロ
- 需給は軽い
という、
**「条件付きで異常な歪み」**が発生している。
この銘柄は
👉 上がるから買う株ではない
👉 下がらないから持てる株
だからこそ戦略は一つ。
材料が出るまで、何もしない。
出た瞬間だけ、是正分を取りに行く。
清原式としての正しい位置づけ
- これは主力銘柄ではない
- 「資産バスケットの底上げ役」
- 時間を味方につける代わりに、夢は捨てる
最後に(ここが一番大事)
PBR0.37倍は異常だが、異常は長く続く。
PBR1.0倍は
👉 “事件が起きれば”現実的
👉 起きなければ0.4〜0.6倍で何年も横ばい
それを理解した上で、歪みだけを拾い、是正された分だけを取る。
清原式の鉄則に、これ以上もこれ以下もない。
追記:2026年1月12日 週足DB600円に仕込んだ。この銘柄は複数指値を入れるより、600円の一点絞りで刺されば長めのホールド戦略が合うと思う。
