企業分析リポート

企業分析リポート:東リ(7971)

2026/01/08

〜PBR 0.8倍台に沈む「床材の王様」と、100年企業の資産防衛力〜

 

📌 このレポートの立ち位置

本レポートは「東リがテンバガーになる話」ではない。

狙いは明確👇

  • PBR0.8倍台に放置されている理由を整理
  • PBR1.0倍(解散価値)へ戻る“現実的条件”を定義
  • 需給整理を待って、負けにくい価格帯だけを拾う

👉 清原式・資産防衛型投資の再現性モデルである。

📋 事業概要:どんな会社なの?

東リは1919年創業、床材・内装材の国内トップ級メーカー

特徴はシンプル👇

  • 🏭 自社製造(プロダクト)
  • 🚚 卸・施工(インテリア卸・工事)
  • この2つを垂直統合している

つまり、

「儲かる工場」と「安定した出口」を両方持つ会社

派手さはないが、不況でも床は張り替えられるという“底の硬さ”がある。


📊 財務分析(過去5年間の推移)

① BS:資本は強すぎるほど強い

  • 自己資本比率:約52%
  • 純資産:5年で+27%
  • のれん・無形資産:極小

👉 倒産リスクは限りなくゼロ

問題はここ👇
「この資本を、何に使うのか?」

  • レバレッジなし
  • 大型M&Aなし
  • 自社株買いほぼなし

結果👇
🛑 ROEが8%に届かない
🛑 PBRが1倍を超えない


② PL:稼げているが、跳ねない

  • 売上:5年連続増収(+23%)
  • 営業利益率:3%台が天井

理由は明確👇

  • 原材料高を即転嫁できない
  • 価格支配力が弱い
  • スケールしても利益が伸びにくい構造

👉 「良い会社」だが「強い会社」ではない


③ CF:2025年に出た“黄色信号”

  • 営業CF:5年連続プラス(本業は健全)
  • ただし2025年は大幅減少

これは👇

  • 在庫・売掛金増
  • 設備投資拡大

によるもの。

📌 致命傷ではないが、「利益 > キャッシュ」の状態に入ったのは事実


📦 セグメント別分析

① プロダクト事業(製造)

  • 売上:6,390億円
  • 利益率:4.6%
  • グループ利益の過半を稼ぐ“心臓部”

② インテリア卸・工事

  • 売上:6,812億円
  • 利益率:3.2%
  • 利益率は低いが、工場稼働率を支える生命線

👉 東リは「高収益エンジン × 低収益だが安定した足回り」という構造。

💡 セグメント分析の結論:利益率5%への「垂直統合」戦略

  • 成長のトリガー: 現在**4.6%(2,942百万円)のプロダクト利益率が5%**を超えれば、市場は「高収益メーカー」として再評価し、株価はステージを変える。
  • 守りの要: 利益率は**3.2%(2,241百万円)**と低いが、巨大な卸・工事網が工場をフル稼働させ、資産価値(PBR0.5倍台)を下支えしている。

🔑 5%利益率は本当にいけるのか?【現実的シナリオ分解】

ここを曖昧にすると、プロは絶対に乗ってこない。

シナリオ①【価格転嫁の完全定着】⭐ 最有力

  • 原材料高が一巡
  • 既存値上げがフル寄与
  • 利益率 +0.2〜0.3pt

👉 実現確率:高(すでに進行中)


シナリオ②【高付加価値床材の比率上昇】

  • 医療・公共施設向け
  • 環境対応・機能性床材

👉 利益率 +0.2pt
👉 実現確率:中


シナリオ③【工事部門の効率化】

  • 人手不足対策
  • 採算の悪い案件を絞る

👉 利益率 +0.1pt
👉 実現確率:低〜中


🎯 結論

3つ全部は要らない。

👉 ①+②が成立すれば、5%は現実的

つまりこれは、

「夢」ではなく「条件付きで届く現実ライン」


🆚 東リ vs サンゲツ(辛口比較)

項目東リサンゲツ
ビジネス製造+卸ほぼ卸
利益率3〜4%6%前後
ROE7〜8%12%超
資本政策超保守積極的
PBR0.8倍1.5倍前後

📌 市場の評価は正直。

  • 稼ぐ力 → サンゲツ
  • 資産防衛 → 東リ

👉 東リが再評価されるには「サンゲツ型になる必要はない」

必要なのは👇
ROEを8%台に乗せるだけ

📈 最新の需給とバリュエーション(2026/01/08時点)

  • 株価: 742円(2026/01/08 14:28現在)
  • 時価総額: 446億円
  • PER: 10.8倍(利益に対して妥当な水準)
  • PBR: 0.88倍(1倍割れだが、0.5倍台のような極端な割安ではない)
  • 配当利回り: 4.31%(非常に強力。下値支持になる水準)
  • 信用倍率: 31.86倍要注意! 買い残がかなり溜まっており、上値が重い需給環境だ)

👉 需給は最悪上がらない理由は「業績」より「需給」


🛡️ 清原式・最終投資戦略

🎯 狙うのはここだけ

価格意味
650円PBR0.77倍・先遣隊
600円主力・解散価値水準
550円相場崩落時のみ

今は👇
❌ 需給が重い
❌ 上値リスクが高い

👉 待つ局面


🚪 出口戦略

  • PBR 1.0〜1.1倍到達(840〜920円)
  • 配当利回り 3.5%割れ
  • 信用倍率の正常化後の吹き値

👉 「夢を見ず、歪みだけを獲る」


🏁 最終結論

東リは、

  • 倒れない
  • 資産が積み上がる
  • だが変身は遅い

だからこそ👇

「安い時だけ買う意味がある」

PBR0.8倍は異常値
PBR1.0倍は現実的な回帰点

清原式の鉄則通り、「割安の歪みだけを拾い、是正された分だけを取りにいく」

この戦略において、東リは今も資産バスケットBの一軍だ。

追記:2026/1/9 650円にアラート設定。アラート後、株探で再度、PBRとPBRと信用倍率などを検討後に600円と550円の仕込みをするか検討する。