マーケット分析

ゴールド市場の最新動向と8月の見通し:不確実性の中で光る黄金

ゲオルグです!

今回のブログでは、ゴールド市場の最新動向を振り返り、8月の見通しについて解説します。

この記事は、World Gold Council「Gold Market Commentary July 2024」をもとに、データや根拠を確認しつつ書いたので、ぜひ最後までお読みください。

 

ゴールド市場:7月度振り返りと8月の見通し

7月のゴールド市場の動向

2024年7月のゴールド市場は非常に活発で、6月の小幅な下落を経て、7月には4%の上昇を記録し、1オンスあたり2,426ドルで終えました。

このデータは、World Gold Councilの月次レポートからのもので、7月末時点でのゴールド価格です。

月の中頃には過去最高値の2,480ドルを更新しましたが、その後はやや下落して月末を迎えました。

特に日本円に対しては、円キャリートレードの巻き戻しが影響し、円以外の主要通貨に対してはゴールドの価値が上昇しました(下記表参照)

これにより、日本市場では他の通貨圏ほどの上昇は見られなかったものの、ゴールド全体としては強いパフォーマンスを見せました。

 

ゴールド価格の上昇要因

左側がドルインデックス日足チャートで右側が米国債10年利回りチャートです(下記図参照)

ゴールド価格の上昇は、主に米国債10年利回りの低下と米ドルの弱さによるものです。

これらの要因は、World Gold Councilゴールドリターン帰属モデル (Gold Return Attribution Model)によって確認できます。

ゴールドリターン帰属モデルとは、ゴールドの価格変動の内訳を一覧にした図です。

 

一方で、COMEX(ニューヨーク商品取引所)先物市場での取引の増加がゴールドで

買う人の数を上回ったため、ゴールド価格にはマイナスの影響が出ました。

また、8月初旬には、日銀の利上げやレバレッジ解消、米国の雇用データの弱さなどが重なり、VIX(恐怖指数)が史上3番目に高いスパイクを記録しました

これにより、株式市場が急落し、その後、ある程度は回復しましたが、完全な復元には時間がかかる可能性があります。

 

今後の見通し

8月は例年、ゴールドにとって良好な月とされていますが、ジャクソンホール会議や米国の選挙、テクノロジー企業の決算発表などの影響を受ける可能性があります。

 

ジャクソンホール会議の期待とリスク

8月22日から24日に開催されるジャクソンホール会議では、連邦準備制度理事会(FRB)が9月18日に予定されている初回の利下げを示唆するかどうかが注目されています。

しかし、最近の米国のデータが混在しており、利下げへの期待が高まりすぎると、

期待外れになるリスクもあります。

このような場合、株式市場や債券、ゴールドに対して下落圧力がかかる可能性があります。

 

米国選挙の影響

バイデン大統領が選挙戦から退き、ハリス副大統領が民主党の候補者として指名されたことで、

選挙戦の行方が不透明になっています。

ゴールド市場は、選挙の不確実性によってさらに影響を受ける可能性があります。

 

テクノロジー株の命運

8月末に発表されるNvidiaの第2四半期決算は、テクノロジー株の今後を左右する可能性があります。

株式市場のボラティリティが続く中、ゴールドはポートフォリオを守る役割を果たしており、今後も投資家からの関心が高まると考えられます。

 

まとめ

8月はゴールドにとって例年通り強気の季節となるかもしれませんが、

米国選挙やジャクソンホール会議、Nvidiaの決算発表などのイベントが市場に大きな影響を与える可能性があります。

なかでも、8月22日から24日に開催されるジャクソンホール会議(経済シンポジューム)がでスピーチするパウエル議長の発言がポイントになると思います。

8月23日が金曜日なので値動きに備えて資金管理をしっかりして月次プラ転目指し頑張りましょう。

次回もお楽しみに!